金沢市議会 > 2002-03-11 >
03月11日-02号

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  1. 金沢市議会 2002-03-11
    03月11日-02号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-05
    平成14年  3月 定例会(第1回)             平成14年3月11日(月曜日)       --------------------------◯出席議員(41名)     議長  川 紘一君           副議長 沢飯英樹君     1番  松村理治君           2番  渡辺 満君     3番  森 雪枝君           4番  干場辰夫君     5番  福田太郎君           6番  横越 徹君     7番  田中展郎君           8番  山野之義君     9番  増江 啓君           10番  大桑 進君     11番  近松美喜子君          12番  浅田美和子君     13番  高村佳伸君           14番  玉野 道君     15番  東出文代君           16番  上田 章君     18番  田中 仁君           19番  苗代明彦君     20番  中西利雄君           22番  安達 前君     23番  寺中隆善君           24番  関戸正彦君     25番  的場豊征君           26番  小津正昭君     27番  出石輝夫君           28番  宮保喜一君     29番  不破 実君           30番  本間勝美君     31番  森尾嘉昭君           32番  升 きよみ君     33番  南部康昭君           34番  木下和吉君     36番  平田誠一君           37番  松本捷男君     38番  野本 昇君           39番  上田忠信君     40番  井沢義武君           41番  山田初雄君     42番  北 市朗君◯欠席議員(なし)◯欠員 21番---------------------------------------◯説明のため出席した者 市長      山出 保君       助役      佐子田 正君 助役      原田淳志君       収入役     金子 衞君 公営企業管理者 小泉賢一君       教育委員長   津川龍三君 都市政策部長  須野原 雄君      総務部長    生駒貢一君 経済部長    近藤義昭君       農林部長    松村直彦君 市民生活部長  畑下 勲君       福祉保健部長  佐藤伸也君 環境部長    平田敏雄君       土木部長心得  八手 壽君                     市立病院 建設部長    山本文男君               山形紘一君                     事務局長心得 美術工芸大学         宮川清二君       中央卸売市場長 新 昭雄君 事務局長 教育長     石原多賀子君      消防長     開田隆人君 財政課長    的場優弘君---------------------------------------◯職務のため出席した事務局職員 事務局長    森田 肇君                     議事調査 議事調査課長  津山正勝君               縄 寛敏君                     課長補佐 主査      宮本博之君       主査      中坂暢江君 主査      寺野 匡君       主査      九社前俊一君 主査      山下慎一君       主査      小村正隆君 主任      木谷保博君       書記      小原 素君 主査      加成達矢君       書記      松田潤一郎君---------------------------------------◯議事日程(第2号)  平成14年3月11日(月)午前10時開議 日程第1 議案第1号平成14年度金沢市一般会計予算ないし議案第85号河川の指定に関する意見について及び報告第1号ないし報告第4号専決処分の報告について                                   (質疑) 日程第2 一般質問---------------------------------------◯本日の会議に付した事件  議事日程(第2号)に同じ---------------------------------------              午前10時2分 開議 △開議 ○議長(川紘一君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ41名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △会議時間の延長について ○議長(川紘一君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △議案上程 ○議長(川紘一君) これより、日程第1議案第1号平成14年度金沢市一般会計予算ないし議案第85号河川の指定に関する意見について及び報告第1号ないし報告第4号専決処分の報告について、以上の議案85件、報告4件を一括して議題といたします。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問 ○議長(川紘一君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 22番安達前君。   〔22番安達 前君登壇〕(拍手) ◆22番(安達前君) 平成14年定例第1回金沢市議会に当たり、新生ひびき議員会を代表し、市政の諸課題について以下数点質問いたします。 質問の1点目は、平成14年度当初予算案についてであります。 現代社会において、地方自治体を取り巻く環境には大変厳しいものがあり、市長が日ごろから重要視している少子高齢化、そして福祉、環境、教育、そしてまた財源問題や経済対策については、地方自治体にとって大きな課題であることは言うに及ばないのであります。また、国による構造改革が進展すると、今後、地方自治体をめぐる環境は本市にとっても最重要課題である野々市町との合併問題も含め、さらに大きく変化することが考えられるのであります。そこで、市長はこのような時代背景と地方自治体を取り巻く環境を、そして合併問題を含めた地方自治体の将来像をどのようにとらえ、またどのように取り組む決意でおられるのか、まず伺いたいのであります。 そして、大変難しいかじ取りが予想される今日において、市長は「まちを元気に くらしを豊かに あすの金沢をひらく重点予算」と位置づけられた3,567億円余の平成14年度当初予算案を本会議に提案されたのであります。その新年度予算案には、6つの重点事項が付されているのであります。これらの重点事項は、県都金沢にとって必要不可欠な項目であることは、我々新生ひびき議員会も認識しているところでもあり、我が会派はそのすべてが達成されるため、強力なる支援を惜しまないところであります。そこで、まずこの新年度予算案にかける市長の思いと決意を、そして新年度予算編成を通じて特に意を用いたことは何か。市民へのメッセージとあわせて伺いたいのであります。 ところで、この新年度予算案には、金沢世界都市戦略会議の提言を予算化し盛り込まれているとのことであります。同会議の提言は、これまでの世界都市構想の意義を改めて確認し、これまでの世界都市構想を発展、継承したとも言えるのであります。同会議からは、共通提言に基づく新しい総合戦略の構築が提案されました。市長は、これを受け82事業、79億 1,638万円余を予算化したのでありますが、そこでまずこれら事業の中で特に重要視している事業にはどのようなものがあるのか。そして、これらの事業は総合戦略とのことでありますので、予算執行による、つまり政策実行による市政全般にわたる波及効果はどの程度期待できるのか市長に伺いたいのであります。また、この提言を受け、長期的な課題となったものはないのか伺っておきたいと思うのであります。 次に、新年度予算案を編成する上で、避けて通れない課題として財源があります。市長は、これまで本市財政の硬直化を防ぎ、絶えずその健全化に努力されており、平成14年度予算案においても前年度に比べ市債の伸びを抑えていることは我が会派も高く評価するところであります。しかし、昨年来、小泉内閣が推進する聖域なき構造改革は、地方財政を直撃することが確実視されているのであります。具体的には、道路特定財源の弾力化、公共事業の見直しなどが挙げられますが、何よりも地方交付税にも制度的な大きなメスが入ることが予想されているのであります。平成14年度地方財政計画では、その策定方針として、地方財政の運営上支障が生じないよう適切な補てんを講ずるとはしていますが、将来的には国への依存を極力排除することが、つまり地方財政の自立が求められていると言えるのであります。そこで、今後の地方自治体の税財源の議論も含めた財政のあり方や課題について、市長はどのように認識しているのかを伺いたいのであります。 次に、地方自治体における財政のあり方の議論の一方で、単年度の予算編成だけではなく、長期的な視野に立った財政運営が求められることは言うに及びません。その長期的な財政運営に役立つとも言われているものにバランスシートがあります。12月議会の総務常任委員会で報告されたバランスシートを見ますと、おおむね健全性を維持していると言えますが、しかし、これまでの景気対策に伴う固定負債の増加や次世代負担分が34%などとなっていることが懸念されます。市長は、このような本市のバランスシートをどのように評価しているのか、そのバランスシートから見える課題と戦略もあわせて伺いたいのであります。 ところで、この財政問題で今、避けて通れないことに4月から実施される金融機関のペイオフ解禁があります。このペイオフは、地方公共団体も例外ではなく、今後の公金管理について一層の安全性が求められるのであります。さきの総務常任委員会ではさまざまな対策の報告があり、その内容を精査すると、ペイオフ解禁に伴う公金の管理、運用対策としては現在のところ必要十分であると言えるのでありますが、これらの対策で今後も本市の公金は本当に安全なのか、以下具体的に伺いたいのであります。 まず第1に、元本保証のある債権での運用とは国債での運用を想定しているものと思われますが、国債は預け入れ期間が5年、10年と長く、それだけ長期間預けられる資金が本市にどの程度存在するのか。また今後日本経済の動向次第では、長期金利の上昇が見込まれ、必要な資金を確保するため中途解約すると元本割れする可能性がありますが、そのリスクをどのように認識しているのか。そしてまた、債権と債務の相殺を行うためには預金者である本市の申請と、その処理のためには一定の期間を必要といたします。その期間が公金運用に影響を与える可能性はないのか伺いたいのであります。あわせて、本市の資金シフトが市中預金の動向に影響を与えることはないのかも伺いたいのであります。 この項の最後になりますが、市長は新年度予算編成で重視したことの一つに、本市経済の回復と活性化があることは明らかであります。我が国経済の動向は、2月の月例経済報告や12月の失業率、そしてサラリーマン世帯の消費支出などの状況から見れば明らかであり、3月決算期を控え、さらなる景気の底割れが懸念されている状況であります。それを阻止するためには、国においては構造改革が、金融機関では不良債権処理が進められてはいますが、我が国経済はまさにデフレスパイラルの危機に直面しているとも言えるのであります。 このような状況の中、本市経済の回復と活性化を進めるためには、あらゆる政策の組み合わせが必要なことは言うまでもございません。市長は、我が国経済及び本市経済の状況をどのようにとらえ、そして新年度予算案でどのような施策として結びつけようとしているのか、本市としては限界もありますが、雇用対策とあわせて伺いたいのであります。 また、これまで中心市街地の活性化など、主に商業を中心とする施策が目立ってはいましたが、海外の企業とコスト面での競争を強いられている製造業へは、これまで以上の支援が必要不可欠であります。そこで、市長は製造業の振興策を新年度予算案でどのように具現化したのかもお示しをいただきたいのであります。 質問の2点目は、本市の21世紀を担う子供たちの教育についてであります。 未来の金沢市を創造するとき、これからの教育のあり方、すなわち人材育成、人づくりこそが都市間競争に勝ち残り、名実ともに世界都市金沢を構築できる礎であると信じております。このような意味合いからいきますと、新学習指導要領のもと、いかに金沢らしさを出し、将来を展望する教育環境をつくり出していくかが真に問われているのであります。新年度はまさに金沢教育元年、加賀百万石教育物語の幕あけと言っても過言ではないと思います。教育改革国民会議委員につかれ、また全国都市教育長協議会の会長という要職にあり、全国的な視野から教育のあり方を検討されている石原教育長に、これから求められる教育像とその理念についてまずお聞きしたいと思います。大河ドラマではありませんが、「私にお任せくださりませ」と力強く自信に満ちた御答弁を期待いたし、当面する教育課題に対し以下数点にわたり質問をいたします。 まず初めに、子ども条例についてお尋ねをいたします。本市は、新年度この条例を具体化するための行動計画の策定に着手いたしますが、未来の宝である子供たちの健やかな成長のために大人の責務をうたったこの条例に対し、我が新生ひびき議員会も高い評価と大きな期待を込めているのであります。さて、条例施行後はや2カ月を経過いたしましたが、学校、民間団体、そして市民に対しどのように周知し浸透を図ってきたのか、まず確認をしたいのであります。そして、行動計画についての具体的なビジョンについてもあわせて伺いたいのであります。 また、条例の第11条に「子どもの自主的な企画及び運営による活動が行われるための機会を確保するよう努めるものとする」とあり、その具体化策としてこども自己実現サポート事業費を初め、1億 515万 5,000円が予算計上されておりますが、具体的にどのような活動内容を考えておられるのか。また、その活動を通じ子供たちの生の声を行動計画の中に十分に生かしていくべきであると考えますが、教育長の見解をお示しいただきたいのであります。なお、行動計画推進委員会メンバー構成についてもお尋ねをいたしておきます。 次に、完全学校週5日制についてお伺いをいたします。完全学校週5日制は、子供たちにゆとりや生きる力を与えることを目的とし、本市においてもふえる休日に対応し、加賀宝生子ども塾子ども職人塾の開設など、さまざまな体験学習の充実に取り組まれているようであります。しかし、完全学校週5日制には、多くの問題点も指摘されており、その一つに学力の低下が懸念されているところであります。授業時間、教科書の内容が削減される中、子供の学力を維持することは大変重要な課題であり、また学力不足を補うため塾へのニーズが急に高まっているとも聞いております。その対策の一例として、埼玉県深谷市では土曜日に学校図書室において希望者を対象とした自主学習の支援や学習相談を行うとの方針を示したと聞いております。まさに、塾に通う子とそうでない子との格差が広がっていくことを危惧した一例でありますが、教育長は子供たちの学力を維持していくため、具体的にどのような施策を講ずるおつもりなのかお尋ねをいたします。 さて、完全学校週5日制の実施後は、地域との連携が重要になってくるのであります。児童館や公民館等においても、子供たちを対象にした多くの取り組みがなされることと思います。しかし、公民館は既にさまざまなイベントや行事で利用されており、今後子供たちの活動の受け皿として公民館を使用していくには少々限界があると思われますが、いかがでしょうか。 幸い本市は、小中学校の教室を地域に開放するモデル事業を行っています。そこでまず今年度実施されたモデル事業の成果についてお尋ねをしたいのであります。そして、一日も早く全学校が地域に開放されるべきと考えますが、その見解も伺いたいのであります。 次に、教員の研修についてお伺いをいたします。本市は新年度、教育研究、教育相談、子育て支援などのための研修施設である金沢子どもセンターの設置に着手するとしております。教員の研修については、昨年度石川県より中核市である本市へ委譲されており、研修環境の向上のために本施設の完成には大きな期待が込められているのであります。 このような中、教育委員会は先月、新年度の教員研修の基本方針を発表いたしました。官民合同の異業種研修への参加や英語指導法の研修、あるいは学校2学期制に対応するカリキュラムの組み方など、まさに金沢教育元年にふさわしい内容であり、その効果が期待されているところであります。しかしながら、昨今、教員の不祥事がふえている現状を見ると、いささか教員としての技能を高める研修に偏っているような印象を受けるのであります。そこで、未来を担う子供たちの指導者として、人間としてのモラルや倫理観の向上、教員としての自覚を問うような研修メニューの内容の充実を第一に図るべきであると考えますが、この点について見解をお伺いしたいのであります。 この項の最後に、学校2学期制について触れておきます。本市は、2004年度の一斉導入を見据えて、新年度より調査研究を行う姿勢を示しております。小中学校の4校がモデル校に指定され、新学期より試験的に行われる予定ですが、学校2学期制を導入する方針を決めた経緯、そしてねらいについてお伺いすると同時に、地域からは教師の負担を軽減するための措置ではないかとの声も上がっており、本市が取り組む意義や目的について御答弁をお願いいたしまして、教育問題の質問を終わります。 質問の3点目は、条例についてであります。 本市は、個性ある美しい金沢の景観形成を目指し、昭和43年に金沢市伝統環境保存条例を、平成元年にはその条例を継承、発展させる形で伝統環境保存区域近代的都市景観創出区域の指定や区域ごとの景観形成基準の策定などを盛り込んだ、金沢市における伝統環境の保存及び美しい景観の形成に関する条例を、また平成6年にはこまちなみ保存区域の指定や保存建物の登録及び保存契約の締結などによる風格あるまちづくりを推進するため、金沢市こまちなみ保存条例を制定しました。その後、平成9年には金沢市斜面緑地保全条例、そして平成12年には住んでいる人が住んでいるまちのルールをつくる、通称金沢市まちづくり条例等、特色ある条例を次々と制定し、積極的な景観行政を推進しているのであります。これらの条例は、将来を見据えた先駆的な事例として県内外からも高く評価されており、私も市民の1人として大変誇らしく思う次第であります。 こうした中、今定例会に金沢の歴史的文化資産である寺社等の風景の保全に関する条例案が提案されました。指定を予定している保存区域の多くは、既にいずれかの条例で区域指定を受けており、既存の条例でも風景を十分保全できると思われますが、なぜ寺社のある風景に着眼し保全しようと思われたのか、市長の本条例への思いをまず伺いたいのであります。 次に、先般、国立市の高層マンションをめぐる訴訟が結審をいたしました。国立市に手続上の問題があったにせよ、景観を守るという目的があっても行政による規制は慎重でなければならないとの判断も示され、結果は国立市の敗訴、4億円の賠償を命ずるとの大変厳しいものでした。本市においても、まちづくり条例を改正し、新たな中高層建築の高さ規制を導入するための検討を始めたとの新聞報道がありました。確かに、金沢の美しい景観を守るため一定の規制はやむなしとは考えますが、規制緩和という時代の中で大変難しい問題であると考えているのであります。さきの裁判も踏まえ、市長の考えを伺いたいのであります。 さらに、地方分権時代を迎え、各自治体とも地域の実情に合った特色ある条例を積極的に制定をしています。今後、都市間競争に勝ち抜くためには、政策を具現化していく条例形成能力が大変重要と思われますが、職員研修のあり方など本市の体制はどのようになっているのかをお聞かせいただきたいと思うのであります。 質問の4点目は防災体制についてであります。 阪神・淡路大震災から7年、防災に対する意識が薄れる中、地震調査委員会が森本―富樫断層帯について今後30年以内に地震が発生する確率は最大5%、地震の規模はマグニチュード7強という大変ショッキングな評価結果を公表いたしました。阪神大震災級の地震がいつ起きてもおかしくないということを再認識し、先般、私を含め超党派の議員で防災意識の高揚と震災に強いまちづくりを推進するため、金沢市活断層対策推進議員有志の会を結成いたしました。また、時宜を得た部局専門研修会にも参加をし、地震は必ず起きる、起きるからにはいかにして被害を最小限に食いとめるか、このことが重要ということを認識いたしました。そこで、以下数点お伺いしたいのであります。 本市では、阪神・淡路大震災の発生を教訓に、平成7年から3カ年かけ、金沢市震災アセスメント調査を実施し、その調査結果をもとに多額の経費を投じ震災訓練、防災備蓄倉庫の整備など、さまざまな対策を実施してきました。こうした中、さきの評価結果の公表があったわけでありますが、これまで実施してきた防災対策に対する評価と今後の課題について、まず伺いたいのであります。 次に、市有施設の耐震補強についてであります。国においては、公的施設が震災時に復旧、復興作業の本部や避難所として使われることから、多くの人が利用する3階建て以上の施設を特定建築物として耐震改修を促しています。昨年3月末時点で、全国の特定建築物のうち、耐震診断を終えたものが3分の1、改修や建てかえ済みのものは全体の7%ということであります。本市においても、平成7年度から市有施設耐震診断を実施し、小中学校などは大規模改修にあわせ耐震補強が行われていますが、特定建築物のうち、耐震診断を終えたものはどれぐらいあるのか。そのうち、耐震補強が必要とされたものは幾つあったのでしょうか。耐震補強工事の進捗状況とあわせ、今後の計画を伺いたいのであります。 特に、災害対策本部の置かれる本庁舎の耐震補強はどうなっているのでしょうか。大きな被害が予想される中心部に位置し、本館が昭和46年建築と老朽化が進んでいる中、対策本部として本当に機能するのでしょうか。今後、建設予定の消防本部に災害対策本部機能を移すのも一案と考えますが、現在の状況と今後の見通しについて伺いたいのであります。 次に、災害危険度判定調査についてであります。今回の調査で、町単位の延焼の危険性、消防活動の困難性などを5段階で相対評価したとのことでございますが、既に校下ごとの被害想定予測情報をまとめた防災カルテ、避難場所などを記した防災マップを全戸に配布済みであります。今回の調査結果と従来のマップとの二本立てとなることが、市民が混乱をし矛盾を感じるようなことはないのかも伺いたいのであります。 また、地域防災計画の修正など、これまでの防災対策を見直す必要はないのか。さらに今回の結果を受け、高い災害時危険度が予想され、対策を検討すべき地区を防災まちづくりのモデル地区と位置づけ、防災都市づくり計画を策定し、他地域に先駆け、地震対策の公共事業を進めるとのことですが、地区の選定など、今後の事業スケジュールはどのようになっているのかをこの際お示しいただきたいのであります。 最後の質問でございます。国際交流についてであります。 本市は、今年姉妹都市提携40周年を迎えるバッファロー市を初め、6カ国、6都市と姉妹都市提携をし、積極的な相互交流を行ってきました。 私ごとになりますが、昨年9月、食の都、ビビンバの本場として韓国全州市を紹介するテレビ番組を拝見いたしました。その中で、全州市を日本の都市に例えるならばという司会者の問いに、レポーターが日本の都市ならば金沢市のようなまちと紹介をされておりました。私はこのことを聞き、山出市長に全州市こそ金沢市と交流すべき都市として申し入れをいたしました。そうした中、市長は大英断され、石川県が交流を進める韓国全羅北道の道都全州市と姉妹都市提携という大変喜ばしいニュースを聞き、当時姉妹都市提携を提言した1人として大変うれしく思う次第であります。蘇州市との姉妹都市提携後、多くの都市から提携の誘いがあったというふうに思います。今回、市長に全州市との新たな姉妹都市提携を踏み切らせたものは何なのか。これまでの経過、今後の交流予定なども含め御答弁をお願いしたいのであります。 さらに、イルクーツク市、蘇州市、全州市、金沢市と環日本海に大きな地域間交流の場ができました。今後は、3市との相互交流を柱に姉妹都市以外の都市をも加えた交流が大変重要と思います。9月定例会において、我が会派の松村議員が国際友好交流の質問に、市長は世界の多くの都市との交流は大切なので、いろいろな分野での交流を進めていきたいと御答弁をされました。今後は姉妹都市以外の行政、民間を通じ、関係する都市を金沢から発信する環日本海友好都市として位置づけ、交流を深めてはどうでしょうか。御答弁をお願いいたしたいのであります。 最後に、こうした活動の一つ一つが世界都市金沢の構築につながるものと信じ、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 22番安達議員にお答えをします。 まず、新年度予算案のことでございまして、合併問題を含めた自治体の将来像をどうとらえて、どう取り組むのかというお話がございました。地方を取り巻く環境は、仰せのとおり大きく変わってきております。そんな中で、行政区域と産業活動とか市民生活の間に大きい乖離が生じてきておるということも事実でございまして、なおかつ今の厳しい財政事情からいたしますと、市町村合併という問題は避けて通れない。この合併を視野に入れた地方行財政の改革を進める必要がある、このように思っておる次第でございます。 次に、予算にかける思いをお尋ねになりました。私は、何よりも地域経済の安定、雇用の確保、そして市民の皆さんの暮らしの維持向上、このことに最大の関心を寄せ、配慮を加えた次第でございます。また、学術文化と経済の連環によりますところの活力をつくっていくこと、そして、歴史伝統と自然環境を守って風格のあるまちをつくっていくこと、こういうことを着実に進めたいというふうに思って意を尽くしました。当然のことながら、新しい世紀の課題は福祉であり、環境であり、教育でございまして、こうした課題に市民の皆さんの協力を得て一体となって進めていく。そういう取り組みを予算化した次第でございます。 次に、世界都市戦略会議の提言の具体化のことにつきまして、重視しておる事業は何か、課題は何かとお尋ねになりました。この戦略会議の提言は、大きく言いまして3つの柱がありまして、1つは文化の創造、2つはまちづくり、3つは地域経済の振興ということでありました。それぞれこの3つの柱について、新しい時代の新しい視点からの施策を示唆されたものでございまして、具体的に申し上げますと、文化の創造の面では金沢の多彩な文化、そして大学等の集積を資源にして、そして新しい文化を創造し発信していく文化拠点都市を目指すこと、こういうことでありました。また、まちづくりの面では金沢のすぐれた個性と魅力の現代的再生を進める。そして、住みよい都市をつくっていく、これが次のことでありました。そして3つ目の地域経済の振興という点では、金沢経済の内発的発展を再構築する、そしてグローバル経済に対応した地域経済システムをつくり出していく、こういうことであります。いずれも、私自身も思っておることでもございますし、そうかと言って事柄はそう簡単なことではありません。こういう政策の実行に当たりましては、全庁的な推進体制をつくりまして、そして着実に効果が出るように努力をしていきたい、こう思っていることを申し上げます。 次に、地方財政の自立が求められておるけれども、どのように認識をし、対応をしていくのかということでありました。国と地方が対等な関係を築いて、本当の意味の分権を確立していく、このことが最重要というふうに思っておりますが、そのためには地方がみずからの裁量で使える財源の拡充が不可欠ということになるわけであります。私は、究極的には所得税から個人住民税、また消費税から地方消費税への税源移譲、これを含むところの抜本的な税制改正が必要と、こういうことを思っておりまして、この趣旨によりまして国に強く働きかけていきたいと、こう思っておる次第でございます。 金沢市のバランスシートをどう認識して評価しているのかというお尋ねがございました。他の中核市と比較して市民1人当たりの有形固定資産は多い。またこれに伴って、固定負債も多いというのが特徴かと思っております。これは、資産としての社会資本形成がよそのまちよりも進んでいるということを示しておると踏まえておりまして、必然的にその財源となった固定負債が多くなっている、こう思っておる次第でございます。しかし、社会資本の形成に当たりましては、交付税措置のある起債に厳選をして充ててきておりますので、固定負債のうち将来の市税等で賄うべき実質的な負担分というものはおおむね40%であるということを考えますと、限られた制約の中で財政の健全性を保ちながらも有効な投資に努めておると、こう申し上げることができる、そう思っておる次第でございます。 次に、ペイオフ解禁に伴う市としての対応についてお触れでありました。かねて準備をし対応に努めてまいりまして、御心配はかけないつもりでございます。具体的な事柄は収入役からお答えするのが適当かと思います。 次に、経済雇用対策についてどう思って、どう取り組んだのかというお尋ねでありました。デフレ基調は脱し切れていない、そんな中で、生産も消費も雇用もあらゆる面で停滞をして、先行き不透明というふうに思います。本市の景況も多くの業種で生産水準が下がっておりますし、個人消費の回復傾向も見えておりません。雇用面でも若年、高年者を問わず、厳しい状況というふうに踏まえております。そういう意味で、景気と雇用は最優先というふうに位置づけまして、不況業種を対象とする制度融資の創設、それから中心商店街、地域商店街両面からの商業の活性化策、競争力をつけるための工業の振興策、こういうことに最大限の意を用いてきた次第でございます。 また、雇用状況ですが、1月の金沢の公共職業安定所管内の有効求人倍率は、0.62倍ということになってございまして、全国平均よりも0.11ポイント高いわけでありますが、さりとて依然として厳しい状況に変わりはございません。特に、中高年齢の非自発的失業者が増加をしておる。また、学卒者の内定率が伸び悩んでいるということがございまして、大変心配をしています。そういう意味で、新年度におきましては中高年齢者のために、中高年齢者雇用奨励金制度を継続させ、また新たに民間職業紹介所利用助成金制度、こういうものをつくる等の施策を講じまして、支援に努めた次第でございます。 次に、製造業の振興策が大事だという御指摘でありました。仰せのとおりだと思っています。経済のグローバル化と激しい国際競争によりまして、繊維、鉄工等の製造業が大変厳しい状況にあることは十分承知をいたしています。何よりも、企業の競争力を高めてほしいと思いまして、1つには産学連携による新製品、新技術の開発を奨励する。2つには販路開拓を図る東京見本市での金沢市のブースも開設をする。3つ目にはIT推進、デジタル産業等の創業者支援に努める、こういうようなこと等を通じまして、厳しい状況に立ち向かっていってほしいと願っておる次第でございます。 次に、条例について幾つかお尋ねでありました。まず、寺社風景保全条例の思いを伺いたいということでございました。寺社の醸し出す風景というのは金沢の特徴的な風景でございます。これまでに、景観条例で保全を図ってきたわけでございますが、この条例では地域的な制約もありまして、十分な対応ができなかったという思いがあります。そこで、貴重な歴史文化資産としての寺社等の風景を継承していくことが、本市の個性をさらに磨いて高めるという思いからいたしまして、もちろん憲法上の制約の枠内での保全策に限ってでございますが、支援をするのにあわせまして条例をつくることによりまして、都市景観に対する市民意識の高揚も図ることができたら、こういう思いからつくったわけでございます。 次に、中高層建築の高さを規制する、そういうことを考えているが、このことについての考えを問うということでありました。近年、マンション等の中高層建築の開発に際しまして、地域の方々とのトラブルが絶えないということがあります。頭痛の種であります。そこで、平成12年にまちづくり条例を制定しまして、開発事業者には住民の皆さんに十分説明することを義務づけて、これを根拠に指導をしてきたところでございます。しかし、現実には開発の話が出ましてからトラブルということでございまして、これではまちづくり協定の意味をなさないということが現実にあるわけであります。そこで、トラブルを未然に防ぎたいと思いまして、法律の許される範囲内で、住宅地域での高さ制限を検討しようと、こういう趣旨でございますのでぜひ御理解をいただきたい、このように思います。 条例形成能力が重要だ、仰せのとおりです。私は、ここに来て随分とよその都市に負けない条例制定を心がけてまいりました。金沢市でなければつくれない条例をつくってきた次第でございまして、これからもこの努力を続けていきたい、そう思っています。大げさな言い方をすれば、分権の一手法だとも言えようかと思っています。そういたしますと、やはり条例をつくる能力を職員個々に高めることが大事でございまして、そういう意味で13年度から若手職員とか実務担当者を対象にいたしました政策法務研修を導入しているところでございます。単に、法制執務の技術論にとどまることだけでありませんで、施策を生かすところの条例形成能力、この向上に努めてまいりたいと、そう思っておる次第でございます。 次に、防災についてお尋ねがありました。耐震補強のこと、そして災害危険度判定調査のことにつきましては、それぞれ所管の部長からお答えをいたしますが、これまで実施してきた防災対策に対する評価、これからの課題、これについてお答えをいたします。昨年の12月に国が発表をいたしました地震調査委員会の評価、これは本市が平成7年度から9年度にかけて調査した震災アセスメント調査の被害想定、影響調査とほぼ同様の内容でございました。したがいまして、その調査結果をもとに策定をいたしました本市の地域防災計画に沿って着実に防災対策を推進しておりますし、これからもいくべきだと思っておる次第でございます。これからは、地域の実情にあわせまして、災害時の避難路になるように、建物は倒壊しても消防車が通行できる幅の広い道路をつくっていく。防火水槽を設置する。また、延焼を防ぐための緑地をふやす。こういうこと等をいたしまして、災害に強いまちをつくっていきたい、このように思っておる次第でございます。 最後に、国際交流についてお話でございました。全州市との提携に至った経緯をお尋ねになりました。環日本海交流を進める立場から、歴史的・地理的にも関係の深い隣国の韓国との交流があったらいいというふうに思いました。そうした中で、全州市は韓国有数の伝統文化都市でございます。金沢市との共通点が多いこと。また、石川県と友好関係にございます全羅北道の道都であること。それから、本市の姉妹都市でございます中国蘇州市とも姉妹提携をしていること。こういうことどもを考えて話し合いを進めてきたところでございまして、このたび先方の賛意が得られたところでございます。もしも御賛同がいただけますならば、4月には全州市代表団が来沢される予定でございますし、また6月のサッカーワールドカップ開催時に全州市へ金沢市代表団を派遣しまして、調印に向けて話を進めてまいりたい、このようにも思っています。文化、スポーツ、そして経済、各分野にわたる市民レベルでの交流を深めて、両国の友好、平和に貢献できたらと願っておる次第でございます。 姉妹都市以外の行政、民間を通じて関係する都市を環日本海友好都市として交流を深めたらどうかというお尋ね、御意見でございました。環日本海交流をはぐくんでいきますためには、姉妹都市との交流を柱にして、その他の都市との交流も進めてまいりたいと思います。また、市を訪ねられれば親切な対応に努めることは当然でございます。現在、民間の方々を通じまして世界各地から本市へのラブコールはかなりあると、こう申し上げます。しかし、それにこたえていきますためには外交の関係とかあるいは国民感情とか、あるいは類似性とか、あるいは財政上のこととかいろいろ課題があるわけでございまして、そこにはおのずと制約も秩序も必要と思っておる次第でございます。環日本海友好都市のことをお触れでございましたが、1つの御提案として承ってまいりたいと、こう思う次第でございます。 以上であります。 ○議長(川紘一君) 金子収入役。   〔収入役金子 衞君登壇〕 ◎収入役(金子衞君) ペイオフ解禁に伴います公金の管理・運用についてお答えいたします。 まず、長期運用可能な資金状況と運用の際のリスクのことでございますが、歳計現金につきましてはその年度の支払いに充てるものでございます。また、基金はその目的に応じましてまちづくり事業などの運用資金及び年度内の資金繰りに主に使用しておりまして、長期に運用できる資金は基金全体の5%程度でございます。また、国債等に限らず、定期預金なども金利の変動などリスクが伴いますので、資金運用に当たりましては元本の確保を最優先し、より安全、確実な運用に努めてまいりたいと思っております。 次に、資金シフトされた場合、それから相殺処理に伴う支払いの影響のことでございますが、これからは公金の管理には今まで以上に自治体自身の自己責任が求められます。より一層、安全性を重視していくことが必要でございます。したがいまして、預金につきましては預金債権と市債債務の相殺により保護するため、各金融機関ごとに預金額が市債残高の範囲内となるよう運用を行ってまいりたいと思っております。また、万が一の場合には相殺の手続や他の金融機関からの借り入れなど、資金確保を迅速に行い、支払いに支障がないよう万全を期してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(川紘一君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 22番安達議員にお答えいたします。 教育につきまして、これから求められる教育像とその理念についてお尋ねがございました。不透明で変化が激しく、グローバル化、高度情報化、少子化という21世紀の社会を担っていく子供たちのために、義務教育におきましては幅広い素養を身につけさせ、豊かな学力と社会性をはぐくむ教育を目指したいと思っております。そして、変化にチャレンジしていける行動力や学習意欲、世界都市金沢を愛し、世界に通ずる広い視野と国際感覚を持ち、タフで優しい心を持った大人へと成長していくためには、社会全体で子供の育成にかかわっていく学校と社会の双方向型教育体制づくりが大切であると考えております。 子ども条例について幾つかお尋ねがございました。条例施行後、学校、民間団体、市民にどのように周知してきたのかというお尋ねでございました。金沢市子ども条例は、全国的にも高い関心を呼んでおりまして、さまざまなお問い合わせや取材や講演依頼等がございます。子供の健やかな成長のためには、1人でも多くの市民に具体的な行動を呼びかけることが必要不可欠であり、条例制定以降、家庭教育学級、子ども会連合会育成委員会、公民館主事研修会、校長会、金沢法人会女性部会など、各種会合の機会をとらえまして精力的に周知、説明を行ってまいりました。さらに、条例の内容をわかりやすく説明いたしましたパンフレットを作成し、幼稚園、保育所、小中学校の保護者や地域の関係団体、学校、企業などに幅広く配布いたしますとともに、インターネットのホームページにも掲載いたしました。今後とも引き続き条例の趣旨の周知、浸透を図ってまいりたいと存じます。 行動計画の具体的なビジョンについてお尋ねがございました。家庭、地域、学校、企業、行政それぞれに求められる具体的な行動を体系的にまとめ、子供の育成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、行動計画を策定するものでございます。当事者である市民の方々が、策定段階から参画し、自分たちがつくった、自分たちのための計画として実効性のあるものとなるよう工夫してまいりたいと思っております。 子供の自主的な活動支援策として、具体的にどのような活動内容を考えているのかというお尋ねでございました。子供たちが希望する活動を主体的に展開しておりますかなざわコミュニティスクールでは、ヒップホップダンス、和太鼓、手話などを行っており、ことしは子供たちの自主的な企画運営による成果発表の場を設けるなど、事業の拡充を図ってまいりたいと思っております。また、ユースリーダー創生塾卒業生の自主企画による発表会も支援していくなど、子供たちが自主的、主体的に活動できる機会と場を提供いたしまして、豊かな自己実現が図られるよう取り組んでまいります。 子供たちの生の声を行動計画の中でどう生かしていくのかというお尋ねでございました。子供の自主性をはぐくみ、子供たちの生の声を生かしていくため、来年度早々、子ども行動推進委員会を設けることとしております。そこで話し合われた結果を金沢子どもを育む行動推進委員会に報告し、子供の意見が行動計画に反映されるよう努めてまいりたいと思います。 行動推進委員会のメンバー構成についてお尋ねがございました。家庭、地域、学校、企業、行政など、子供の育成にかかわる分野の方々及び学識経験者を考えております。 学校週5日制についてお尋ねがございました。子供たちの学力を維持していくためには、具体的にどのような方策を講じるのかというお尋ねでございました。学力向上には、学習時間の確保、充実したカリキュラム、個に応じた指導が大切でございまして、それに向けた創意工夫ができるよう、2学期制や小学校での教科担任制について、モデル校での研究を進め、その成果を各学校に還元できるよう努めてまいります。 学校開放モデル事業の成果と今後の見通しについてお尋ねがございました。平成13年度は扇台小学校や北鳴中学校など、小中学校5校で完全学校週5日制の受け皿ともなる子供への学校開放モデル事業を始めたところでございます。モデル校では、子供を対象といたしました工作教室やスポーツ活動などが行われまして、地域住民の子供の育成にかかわる機運が盛り上がってきております。今後とも、主体的に取り組んでいただける地域から順次拡大を図り、将来的には全学校でのモデル事業の実施を目指してまいりたいと思っております。 教職員研修についてでございますが、人間としてのモラルや倫理観の向上、教員としての自覚を問うような研修の充実を図るべきではというお尋ねでございました。そのとおりだと思っております。現在、初任、6年目、15年目の教員全員を対象にいたしまして、人権教育の研修や地域社会において奉仕活動に取り組む社会貢献活動の体験講座などを実施しております。また、経験年数に応じまして教育公務員倫理セミナーや教育法規演習セミナー等も実施しているところでございます。今後ともモラルや倫理観の向上、教員としての自覚を促すことにつながるよう一層の充実に努めてまいります。 学校2学期制につきまして、導入の経緯とねらい、またこのことが教師の負担軽減を目指すための導入との地域の声もあるがどうかというお尋ねでございました。平成12年12月、金沢市21世紀教育懇話会からこれからの学校教育の基本となる授業の充実を図るため、長期休業期間や学期のあり方についての見直しを図るとの御提言を受け、その具現化策として2学期制の導入を目指すものでございます。そのねらいは、より長い学習スパンの中で基礎・基本の確かな定着、体験活動や試行錯誤できる時間的ゆとりの確保、きめ細かな一人一人の学習状況の把握に基づく授業改善を目指すものでございまして、教師の負担が軽減されるというものではございません。 以上でございます。 ○議長(川紘一君) 畑下市民生活部長。   〔市民生活部長畑下 勲君登壇〕 ◎市民生活部長(畑下勲君) 防災体制について、市の公共施設のうち、3階以上かつ 1,000平米以上の特定建築物の耐震補強についてであります。 耐震診断の対象となる施設は68施設あります。そのうち、61施設の診断を終了しました。その結果、すべての施設に補強が必要でありまして、これまでに27施設の補強工事を終えております。今後については、残る施設の耐震診断を計画的に実施し、耐震補強工事についても特定建築物に限らず、避難場所となる学校や公民館を中心に進めていきたいと考えております。 以上であります。 ○議長(川紘一君) 生駒総務部長。   〔総務部長生駒貢一君登壇〕 ◎総務部長(生駒貢一君) 災害対策本部のある本庁舎の耐震補強の現状と今後の対応についてでありますが、災害対策本部室は庁舎内でも耐震強度の高い新館に配置してありまして、窓ガラス、それから天井の補強及び非常電源装置など、ライフラインの耐震改修を既に済ませております。なお、耐震診断の結果では庁舎全体の耐震補強工事が必要とされておりますが、騒音、振動などで執務しながらの工事は難しく、仮庁舎の確保が不可欠であります。 近辺での仮庁舎といたしまして、県と交換を予定されております県庁南分室を念頭に置いて検討を進めているところであります。 以上であります。
    ○議長(川紘一君) 山本建設部長。   〔建設部長山本文男君登壇〕 ◎建設部長(山本文男君) 災害危険度判定調査に関してのお尋ねにお答えをいたします。 まず、従来の防災マップと二本立てとなることで市民が混乱し矛盾を感じることがないのかとの点でございますが、従来の防災マップは森本断層と富樫断層が連動した特定の地震が起こった場合の人的被害、火災被害、建物大破棟数等を予測し、避難する場所を明示したものでございます。このたびの災害危険度判定調査は、市内全体が均等に地震力を受けるものとし、阪神・淡路大震災の事例をもとに延焼の危険性、広域避難地到達の困難性等の危険度を想定したもので、防災まちづくりの資料とするものでございます。この調査結果を町会へ回覧するに際しましては、パンフレットの読み方を添付しまして混乱が生じないよう配慮したところでございます。 次に、災害危険度判定調査の今後の事業スケジュールについてでありますが、新年度にはこのたび実施しました調査結果をもとに危険度の高い地区に対しまして、まず意向調査を実施し、その中からモデル地区数カ所を設定いたしましてワークショップ等を行い、住民の意向を取り入れた防災まちづくり計画を策定することといたしております。さらに、防災まちづくり計画策定後におきましては、その具現化に努めるとともに、この地区をモデルとして市内全体の防災まちづくりへと推進してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(川紘一君) 34番木下和吉君。   〔34番木下和吉君登壇〕(拍手) ◆34番(木下和吉君) 平成14年当初議会に当たり、自由民主党金沢・市民会議を代表いたしまして、以下数点にわたり市長、教育長並びに関係部長にお尋ねをいたします。 長引く景気低迷に加えて、昨年9月のテロ事件の影響がアメリカだけではなく世界じゅうに大きく、そして長きにわたり及んでいます。もちろん、我が国とて例外ではありません。平成14年度予算の伸びは昨年対比で国家予算で 1.7%の減、地財計画で1.9%の減となり、本市一般会計予算においても0.9 %減と大変厳しいものが見られます。まず初めに、市長が本予算策定に取り組むに当たり、最も留意した点、また最も苦心した点、さらには予算作成に当たっての来年度における市長の思いをお聞かせください。特に、国の第2次補正予算に積極的に呼応し、平成14年度に予定した公共事業の一部を13年度に繰り上げた点について、その意図するところを含めて御説明ください。 また、今予算の性格として、「まちを元気に くらしを豊かに あすの金沢をひらく重点予算」とスローガンがうたわれております。昨年のスローガン、「自立と連帯のもと 暮らしとまちの繁栄をめざす 新世紀金沢重点予算」に比べると、いま少し力強さという点でトーンダウンしているような気もいたします。この予算のスローガンに込めた思いもあわせてお答えください。 さて、歳入面において市税の中でも安定的税目と言われている土地に係る固定資産税については、平成12年度に税制改正が行われました。それまでは、土地の価格は原則として基準年度の価格を3年間据え置くとされていましたが、平成13、14年度において地価の下落があり、価格を据え置くことが適当でないときは、価格の修正を行うことができるとされました。この法改正が本市において13年度でどのような影響があったと考えられるのか、14年度はどのように予算の中で影響があると考えておられるのかお尋ねをいたしたいと思います。   〔議長退席、副議長着席〕 地方自治体にとっては基幹税とも言える固定資産税ではありますが、一方、大都市だけではなく地方都市であっても中心部の中小企業や商店にとっては、長引く不況も相まって、固定資産税に対する重税感は相当なものがあります。中には、その重税感に耐え切れず郊外に移っていったり廃業に追い込まれたりするという例も決して少なくはありません。 そういう中、東京都は不況に苦しむ中小企業者への緊急支援対策として、個人や中小企業者が所有する事業所用地に対する固定資産税と都市計画税を20%減免すると発表いたしました。これまで、東京都が独自に提案してきたいわゆる大手銀行税やホテル税以上に、地方自治体関係者にとっていろいろな意味でショッキングなものであったと言えます。確かに、地方自治体にとって固定資産税とは最も安定的にしかるべき税収が確保できるという性格を持つものではありますが、一方では先ほど述べましたように、不況に加えた重税感から来る中小企業の移転、廃業はまちづくりという観点からは手痛いものがあります。まちなかに定住人口をふやすことにおいて、生活インフラとも言える商業機能の不足は致命的なものと言えます。 もっとも、総務省が述べているように地方税法に照らして妥当性、課税の公平性という観点、さらには何と言ってもその減免分を補う財源確保という点等々、さまざまな研究課題も残していると思いますが、安定的税収確保という点とまちなか活性化という観点とも考えた上で、この問題に対する市長の考えをお聞かせください。 さて、今ほど述べました新たな財源調達の手法として最近注目されているものとして、いわゆるミニ公募債が上げられます。これは、従来財政規模が大きい都道府県や政令都市しか認められなかった市場公募債を個人が小口で購入できるようにするというものであります。このミニ公募債と言われるものは、総務省が地方自治体の新たな資金調達手段として新年度からの発行を認めており、自治体の中には既に発行時期、対象事業、発行規模、条件等まで決めて準備を進めているところもあるようであります。 自治体側からすれば、市民が直接債権を所有することになり、今までより一層市民に対する説明責任を果たす必要が生じるとも言えますし、一方ミニ公募債を所有する市民の側からすれば、より市政への関心が高まるものと思います。本市においても、まだまだ検討すべき課題は多いと思いますが、今まで述べました点を考慮しても研究してみる価値は十分あると思うのですが、いかがでしょうか。 財政に関連して最後にお尋ねいたします。先般の地場銀行の破綻に加え、3月になって北陸の大手ゼネコンの会社更生法申請が報道されました。これまでも多くの企業の苦境が伝えられてきましたが、この2社のように本市にとっていろいろな意味で影響力の大きい企業の経営破綻により、本県、本市における多くの企業がより一層厳しい環境の中に置かれることは言をまちません。 本市として、関係方面と連絡を取りながら、可能な限りの支援策が求められてくると思われますが、具体的にどのような手だてを考えておられるのかお答えいただきたいと思います。 市長は、これまでも議会等において景気及び雇用対策というものは地方自治体としてはなかなか独自なものは打ち出せない、難しいと述べられております。実際、私もそのとおりだと感じ得ません。しかしながら、その限られた手法の中から本予算においても、幾つかの工夫が見られると思います。あわせてお答えください。 さて、昨年末に金沢世界都市戦略会議がまとめた、市が目指す世界都市構想の具体策をまとめた提言書が発表されました。それを受ける形で、本予算においてもさまざまな取り組みが見られています。その中で最も注目されるのは、仮称金沢世界都市政策研究市民機構の設立準備と言えます。これは、さきの提言でも画一的な縦割り行政やテーマごとに委託する民間シンクタンク等々では、これからの時代では対応できない。市民、NPOを含めた新しい研究組織が必要とされていることを意識されたものと考えます。この機構は、具体的にはどのようなものを想定し、どのような運営を考えているのか、さらにはどのような結果を期待するのかお答えをいただきたいと思います。 さて、この提言書提出に際しまして、戦略会議の小堀座長は、これからは創造が課題。金沢に集まる学生をいかに定着させ、若いパワーを酌み取ることを考えてほしいと述べられております。まさに、その言葉を受けるかのように、本予算において香林坊ハーバー、武蔵ビジネスプラザ、eATサロン、e-cube等の開設準備が上げられております。これから、どのような新しい起業家があらわれてくるのかわくわくするような期待感を持つものでありますが、一方ではこれだけ片仮名用語が並ぶと一体どのようなものがつくられるのか、なかなかイメージがわいてこないというのも一理であります。これらについて、具体的にどのような性格を帯びたものか、またどのような形でまちなかに活性化を生み出し、金沢の新しいビジネスにつながっていくと期待されているのか、お答えいただきたいと思います。 さて、まちなかを活性化していくためには、これまで述べてきました商業機能の充実だけではなく、当然のことながら定住人口の増大が必要となってきます。来年度からは、その定住人口増大をより一層実りあるものにするために、建設部内に定住促進局なるものが新設されることになりました。まず、その目的と期待される効果をお尋ねいたします。 また、その定住促進局の中には、住宅政策課という一瞬いかめしい名称の課も新設されるようであります。これまでも、情報政策課、交通政策課、文化政策課といった、まさに本市にとっても戦略的に取り組んでいくというテーマにつけてきた政策課という用語を、住宅という多くの場合私有財産とも言える課題につけるのは、それだけ市長を初め市当局のこの問題に対する危機感のあらわれが感じられます。定住促進局という名称に並び、住宅政策課という名称をつけられた思いもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。さらに、それぞれの部署に具体的にどのような機能を持たせていくのかも御説明ください。 さて、昨年の当初議会において何人もの議員が取り上げたことですが、まちなかでの定住促進を強く進めながら、一方では郊外の区画整理事業を進めていくということは人口、地価ともに右肩上がりの時代ならともかく、ともに右肩下がりの現在においては、果たしていかがなものかなという議論は関係者の間でも相当言われております。まず初めに、いま一度このような声に対する市長の御意見をお聞かせください。 また、これから具体的なスケジュールに上がっている新たな区画整理事業があるようでしたら、あわせてお尋ねをしたいと思います。 今予算において、土地区画整理事業施行後の地価が施行前よりも下がり、赤字が確実となった組合を対象とした支援制度について調査費が計上されました。これは、土地区画整理法にある地価総額が減少した際に、差額に相当する金額を地権者に交付する減価補償金制度を利用するものと思われますが、具体的にどのような形で行われるのか。また、基本的には区画整理組合の自助努力が大前提であるとしていますが、その自助努力の基準をどのように考えていくのか、基本的な考え方をお聞かせください。 まちなかの定住と郊外の開発に関連して、もう1点お尋ねをいたします。本市がいわゆるディベロッパーとなっている瑞樹団地では、比較的順調に推移し、新年度予算においても第8期分譲事業費が計上されております。これはこれとして評価するものでありますが、それとは別に新住宅団地適地調査費なるものが新年度予算に計上されております。果たして、これからの時代、特に金沢という中核市レベルの都市において、行政がいわゆるディベロッパー的な仕事をするというものはいかがでしょうか。特に、郊外においてそのような団地造成を新たに進めていくということであるならば、より一層慎重であるべきでないかと思います。むしろ、まちなか及びその近郊において適地を調査する、もしくはその適地を民間にあっせんしていくという作業の方法があってもよいのではないでしょうか。この事業の意図するところを御説明願います。 私は、さきに触れた固定資産税の扱いの質問の中で、まちなかでの生活インフラとも言える商業機能の低下は、定住促進という面においても問題があるのではないかと述べさせていただきました。まちなか定住を進めていくためには、当然のことながら商業機能を含めた生活インフラの整備が必要となってきます。これは、いわゆる都心部という意味だけではなく、たとえ都心部から離れたところであったとしても同様であります。そういう意味で、本市が駅西地区の大手家具小売店の増床に対して、「道義的な認識に欠け」という言葉を添えて反対意見を表明した勇気を私は大変評価するものであります。もちろん、これは1つの例にしか過ぎません。またあくまでも地域商店街を守り育てていくということのみの判断ではないということは間違いありませんが、ある種1つの警鐘になったと言えるのではないでしょうか。改めて御意見をお聞かせください。 さて、さきの県議会において知事は県庁跡地利用について、金沢大学が2004年に設置を検討しているロースクールを選択肢に入れているという考えを示しました。市中心部なら北陸3県から学生を集めやすい、金沢の中心部に学生が戻ってくるとも述べられています。県の所有物でありますので、市長もこれまでは積極的な発言を控えてこられましたが、知事が選挙直前にしてこれだけ明確に、しかも議会の代表質問という場での発言ということを考えると、相当具体的な展望を持ったものと言えるのではないかと思います。本市のまちなか中心部の活性化に大きな影響を与えるテーマでもあり、期待を感じさせる意見かと思います。市長のお考えをお聞かせください。 まちなか活性化に関連して最後にお尋ねします。先日、私たちの会派では東山から卯辰山かいわいへと続く、いわゆる心の道を観光ボランティアガイドまいどさんの御協力をいただき、実際に歩いてきました。この道の整備が完成すれば、観光客だけではなく地元の方にも金沢のまちなかを、いわゆる金沢らしさを感じながら散策を楽しんでいただける、そういう空間になるであろうという期待を強く感じさせられました。そこで、金沢のまちなかを歩いて楽しめる全市的な取り組みについてもお尋ねをいたしまして、以上、まちなか活性化に関連した質問とさせていただきます。 次は、教育問題についてです。 市長は、よくこれからの行政課題として福祉、環境、教育と述べられています。その中でも、福祉においても環境においても、これから重責を担っていくのは子供たちであるということを考えた場合、やはり最重点課題は教育と言っても過言ではないと思います。その教育が、来年度から大きな変化に巻き込まれます。いわゆる週休2日制と新学習指導要領による学習項目の3割削減です。以下、何点か大きな流れについてお尋ねいたします。 まずは、土曜日が完全に休みになる子供たちの受け皿についてです。先日、新聞で新たに休みになった土曜日に何をするのかというアンケートで、1位が何と睡眠に充てるです。その次に来るのはテレビゲームというふうになっています。本市行政としては、教育委員会だけのテーマではなく地域全体で考えなければいけませんが、ここは教育委員会に絞って手短にお聞きいたします。 これまでも、県議会でも相当議論されていますが、例えば学校によって土曜日に補習授業を希望する場合は、教育委員会としてどのように対処するのか。地域として何かを行う際、学校のより一層の開放が認められるのかどうか。休日が多くなる穴埋めとして、早朝の補習なり最近ふえつつある早朝読書といったたぐいのものを奨励していくことになるのか。また、遠足や写生大会、一部で見られているスキー遠足等々の学校行事がどのような扱いを受けることになるのか。以上、すべて学校の判断に任せますというのも1つの考え方ではありますが、本市教育委員会の基本的な考え方をお聞かせください。 また、週5日制に当たっては、子供たちを地域に返すという言葉がよく聞かれます。そういう意味では、学校の先生方ももっと積極的に地域活動に参加すべきと思いますが、教員の地域活動への参加を促すといった施策も必要と思いますが、いかがでしょうか。 次に、これも来年度から新たに行われるという子供たちへの絶対評価について、やはり手短にお尋ねいたします。これまでの評価と大きく変わってくるのは、具体的にどういう点なのか。その評価をする教員への研修はどのようになっているのか。また、来年度から絶対評価を導入するということであるならば、本年度において既に相当な研修がなされていると思われますが、その状況はいかがなものか。また、教員への研修だけではなく、その評価をされた子供たちの保護者への説明も必要となってくると思われますが、どのような形でされていくのか。また、教員にはどのようにそのための研修がなされていくべきかを、さらにこれからもどのようになされていくか。こちらはさすがに学校に任すというわけにはいかないようであります。責任ある御答弁をお願いいたします。 さて、来年度からモデル的に行うものとして、学校2学期制と県教委主導で進められている中高一貫教育制が上げられております。まず、学校2学期制を実験的に始める目的と、最も留意している点、さらには今後のスケジュールをお聞かせください。また、中高一貫教育について、県教委との間ではどのような目的、形態で進めていくことになっているのかもあわせてお答えください。 新学習指導要領を初め、来年度からさまざまな変化が教育行政に起きてくることに対して、子供たちはもちろん、保護者にとっても大変な不安を持っていることは想像にかたくありません。本市においても、これらの不安、懸念を少しでも払拭するためにも、やはり積極的に説明していくことが必要と思われます。どうぞ責任ある御答弁を期待いたします。 次に、いわゆる電子市役所化という点について、幾つかお尋ねをいたします。 本市においても、さまざまなIT化施策が進められ、住民に身近な各種申請書に関連した電子申請システムの開発や財務会計システムの開発、さらには情報公開条例の改正も見越した文書管理システムの運用も新年度予算の中で計上されていることはその熱意のあらわれとも感じられます。これからは、市役所内部、さらには市民との関係の中で、IT化から一歩進めて市と県、さらには国との情報の共有化により、より効率的な行政サービスの運用を目指していくことも必要と思われますが、いかがでしょうか。 また、来年の8月からは希望する国民に住民基本台帳カードが交付されることになりますが、そのための準備も、まさにこれからの大きなテーマになってくると思われますが、どのような対応をされていかれるおつもりかあわせてお聞かせください。 最後に、姉妹都市交流についてお尋ねをいたします。 市長は、本会議の提案理由説明の中に、韓国全州市との新たな姉妹都市提携について触れられました。韓国国内の都市との姉妹都市締結は、これまでも各方面から期待されていたこともあり、私も大変喜ばしいことと思っております。 そこでお尋ねいたします。今、韓国の全州市と姉妹都市提携をするその目的、意義、さらには具体的にどのような交流が期待されるかということをお尋ねいたします。 以上をもちまして、我が会派の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 34番木下議員にお答えをいたします。 まず、新年度の予算につきまして幾つかお尋ねがありました。最も留意した点は何かという点がありました。御案内のとおりな経済情勢でございまして、私としますとやはり経済の安定、雇用の確保、そしてお一人お一人の市民の方々の生活の維持向上、このことが最大の関心事であります。地域経済の安定につきましては、平成13年度への公共事業費の前倒し、そして金融支援の充実、新しい産業の育成、企業立地の推進、こういうことに努めることにしました。雇用の確保では、雇用の相談窓口を強化するというようなことをいたしまして、最善を尽くしたつもりでございますし、市民お一人お一人の生活の維持向上という点では、公共料金はすべて据え置くということにさせていただいた次第であります。 なお、公共事業のことでございますが、国の2次補正に積極的に対応をいたしました。いわゆる端境期にある事業量を確保することで、切れ目のない公共事業の執行を図りたいというふうに思いまして、そういう意味で14年度に予定していた公共事業の一部は13年度に繰り上げて、そして本議会に御相談申し上げたということであります。景気の刺激、そして雇用の確保につなげていきたいと、こう思っておる次第でございます。 ことしの予算のスローガンは、少し力強さという点ではトーンダウンしておるんではないかということでありました。どうしたらまちが元気になるだろうか、どうしたら市民生活の維持向上ができるかということに心を砕いたことは今まで申し上げたとおりでございますし、何としてもよそのまちに負けたくない、その一念が強うございまして、都市基盤の整備とか、そして次の時代を担うのは子供さんでありますんで、子供さんを支える施策、こんなことに力を入れたことは事実であります。現状を見ますと、私としますといたずらに奇をてらうとか胸を張るとか、そんなことは余り私の好みに合いません。そんなことよりも、地道に一生懸命、この気持ちであることをひとつ申し上げたいと思います。 固定資産税のことにお触れでございまして、価格修正のことは総務部長からお答えをいたします。 それから、東京都の減免のお話をしていただきまして、そしてまちなか活性化のために減免ができないのかというお尋ねでありました。私も土地の価格が下がってきた、そういう現状からいたしますと負担感が強いという実態は肯定しないわけにはまいりません。ただ、私はやはり基本は景気対策、不況の克服にあると、こう思っておるわけであります。税でありますので、どうしても技術的なことに触れざるを得ないわけでありますが、固定資産税というものは資産価値に着目をして課税するものでございます。中心部の中小企業・商店に限定をして減免するということは負担の公平とか、あるいはこの減免分を補う財源を確保しなければならんという観点からいたしますと大変難しいと、こう申し上げざるを得ません。 東京の23区では、固定資産税の一部を減免することにしておるわけでありますが、これは商業地におきますところの評価額に対する課税標準額の割合が68%ということでございまして、全国平均の57%を大きく上回っておるわけであります。したがいまして、全国平均並みに引き下げようとするものでございます。ちなみに申し上げますが、本市の商業地における負担水準は全国平均の57%をさらに下回りまして、45%にあるということも御理解いただきたいと思いますし、何よりも東京都は全国自治体の中で数少ない不交付団体だと、このこともひとつ知っておいていただきたい、このように思います。 ミニ公募債のことについてお触れでございました。これは、住民が地方公共団体の事業資金の供給者になることによりまして、行政への参加意識を高める。それから、資金調達手段の多様化を図るという点ではメリットがあるというふうに思います。しかし一方、長期のものになりますと果たして応募者には受け入れやすいんだろうかというふうなことも思いますし、住民の皆さんに広く購入を求めるという形になりますから、仲介する金融機関への手数料がかさむというふうなデメリットも半面ございまして、これは仰せになりましたけれども研究をさせていただきたいと、こう思っています。 次に、破綻企業の関連の支援策についてお尋ねになりました。石川銀行につきましては、市民また中小企業者に大きい影響が及びますことから、年末から緊急相談窓口を開設しまして、もろもろの相談に対応をし、特別保証認定を進めるということにいたしました。1月早々予算の専決処分もお願いをいたしまして、信用保証料の補助制度をつくって不安の払拭に努めたところでございます。なお、佐藤工業のことにつきましては、目下情報を収集しているところでございます。現状では、本市事業者への影響は大きくはないというふうに思っておりますが、支障の出ないよう、国の特別保証認定受付というものも始めている次第でございます。 こうしたことに関連して、景気と雇用への工夫はどうかというお尋ねでありました。不況業種を対象にいたしまして、セーフティーネット融資を創設することにしました。金融機関破綻関連の信用保証料緊急補助をさらに1年延ばすということにもしました。各種の制度融資の支援充実に努めた次第でございまして、これからも弾力運用には努力していきたい、こう思っております。一方、雇用の面でありますが、現状でなすべき市の施策といたしましては、地域の実情に即したきめの細かい対応に努めることだと思っています。このために、中高年齢者雇用奨励金制度、これをさらに1年延長いたします。また、2月に実施いたしました労働状況調査における地域の要望を踏まえまして、新たに高校生就職準備セミナー、これを開催するとか、企業情報ホームページを開設するとか、緊急雇用相談窓口の機能強化を図る、こんなことなど、いろいろとなし得る最善を尽くしていきたい、こう思っております。 世界都市構想のことに関連をしまして、政策研究市民機構の中身をお尋ねになりました。これから自治体運営を進めていきます上では、地道で独創的な政策研究を進める必要があると思っています。都市の政策の担い手は行政だけではありませんで、市民、またNPO、さまざまな主体が重要な役割を果たすわけであります。したがいまして、それぞれが政策主体として独自に政策研究に取り組むと同時に、互いに交流をして共同研究を進めていく、こうした新しい性格と役割を持つ地域連携の研究組織と、こういうものになったらなと思っておる次第でございます。 次に、ニュービジネスについてお触れでございまして、まずは香林坊ハーバーでございますが、香林坊の旧の映画館を活用して学生のまちなかでの芸術、文化の交流等の活動拠点にしたいと思っております。学生さんによる自主的な運営をお願いしたいと思っております。 ここに隣接して、eATサロンを開設するわけでございますが、これまでeAT金沢のデジタル技術でありますとか、またノウハウ、人材を活用いたしまして、こうしたことにかかわるのは印刷でありアパレルであり、デザイン等の地場の産業分野でありますので、こうした地場の産業の若い方と連携をして新しい産業の創出ができたらと、こんな夢も抱いておるわけであります。 武蔵ビジネスプラザでありますが、こちらは1つには起業家を育成、支援する施設にしたい。2つ目には、ビジネスマン、また市民が気軽に会合をして、そして心身ともにリフレッシュをする場にしたい。それから3つ目には、この武蔵地区を中心にした地域の若い人たちが集まってまいりまして、新しい商業活動を考える場になったらと、こんなことを思っておりまして、具体的には新年度に基本計画をつくることにしていまして、関連の業界の方々と相談しながらあるべき方向、運営の方法等を詰めてまいりたいと、このように思っています。ベンチャー企業者が独自のビジネス活動を始める契機になったら、またたくさんの若者が集まってまいりまして研さんに励んでにぎわいに資することができたらと、こう思っておる次第でございます。 次に、まちなか活性化に関連をしまして、定住促進局の目的、効果をお尋ねになりました。日本の将来人口の推移を考えますと、定住人口をふやすということに政策の視点を置かなければいけないというのは、私は当然のことだと早くから考えてまいっています。このために、まちなか居住、あるいは郊外居住等さまざまなニーズに対応できる総合的な住宅政策が必要でございまして、そこで関連する部署が連携して取り組むために促進局なるものを設けた次第でございます。これによりまして、本市の定住施策を総合的に、一元的に実施をするということ、また住宅の相談窓口とかインターネットによる最新の住宅情報の提供等に取り組んでいって、そして人口の増加につなげていきたい、こう思っておる次第でございます。 政策課という名前にさせていただく予定でございます。定住促進のためには、まちなかも郊外も、そして官も民も、また福祉の面も含めて、この際は住宅政策というものを今までよりももっと前へ進めたい、こういう気持ちがございまして所管部門をつくるわけであります。住宅政策課、区画整理課、建築指導課、3課で構成して相互の連携を図っていきたい、こう思っています。今ほど申し上げた福祉という分野も加えるということになりますと、局以外の全庁的な体制も視野に入れなければならないことは当然であろうと思います。 まちなか定住施策を進める一方で、郊外の区画整理を進めるのはいかがなものかという御趣旨であったろうかと思います。御案内のとおり、区画整理事業というのはまずは住環境の整備をするということでございますし、それにあわせて主要な幹線街路等の公共施設を整備していくということであります。事実、本市の骨格構造をなすところの外回り環状道路、この一部はまさに土地区画整理組合の御尽力によってつくられておることをひとつ御承知いただきたいと思いまして、こうしたことを通じて良好な新しい市街地の形成を図っていくというのがまず1つあるわけであります。したがいまして、まちなかの定住、今申し上げた新しい市街地の形成、この2つを両立させて、そして金沢都市圏の一層の広がりに向けて推進をすべきだと考えておるわけであります。 なお、新たな区画整理事業の予定につきましては、現在海側幹線にアクセスをいたしますところの都市計画道路観音堂―上辰巳線、この整備が課題になってございまして、地元でこれに向けて区画整理事業の準備が進められていることを申し上げておきたいと思います。 なお、組合への支援措置でございますが、この支援措置は国の減価補償制度を参考にするものであります。道路、公園等の公共施設の整備に要する経費の一部に対しまして助成を行うことを想定しています。具体的には、国の制度改善の動向も踏まえながら、組合の経営実態等も把握して新年度内に制度の確立を目指したいと、こう思っております。組合に自助努力を求めるわけでございますが、その自助努力といたしますれば、整備水準の変更による工事費の削減、あるいは工事の一括発注等によります経費の削減等、このほか保留地の配置の見直しによりますところの収入の確保、こういうようなことを想定していまして、個々の組合の経営実態に応じて的確な指導を行ってまいりたい、こう思っております。 次に、新住宅団地の適地調査のことにお触れでございました。瑞樹団地の建設事業完成を間近に控え私は、今の時点でもう次のことを考えなければ遅いというのが率直な気持ちなんでありまして、やはり行政にはスピードが求められるわけであります。新しい団地は、民間団地も含めて区画整理地も含めてどこがふさわしいのか。また、どのような進め方をすればいいのか、そういう手法を進めるわけでございまして、市がディベロッパーになる、このことだけを意図しているものではないと、こう申し上げたいと思います。 まちなかの活性化には商業機能の低下があって、この点は定住促進の面でも問題だという御指摘でありました。少子高齢化という社会構造変化の中で、身近なところに商業機能が確保されるということは重要な課題でございます。中心市街地活性化施策といたしますと、店舗の改造とかファサードの支援措置を講じる。また、地域の商店街でも新しい事業を展開し、あるいは複合店舗化をするというような場合にありましては、経営改善モデル店舗の奨励事業を新設したところでございまして、商業機能の低下を防ぐ施策を講じたいと、こう思っております。 駅西地区の大手家具小売店の増床に対する意見についてお尋ねになりました。この件につきましては、旧の大店法で駆け込み申請がなされまして、国の審議会で店舗面積引き下げ結審があったにもかかわらず、開発事業者が当初計画どおり建築したものでございます。開店から1年足らずで既存店舗の5割を超える増床を申請されることは、小売商業者としての社会的責任に欠けるというふうに思いまして、再考するよう意見を述べたものでございます。 次に、県庁跡地利用につきまして、ロースクールのことについてお触れでございました。ロースクールは金沢大学の事柄でございますし、知事の御意見は暫定利用として案をお示しになったと、こう思っております。いずれにいたしましても、懇話会の中間取りまとめを踏まえながら、県と市が協調して都心地区にふさわしい跡地利用を取りまとめていきたい、こう思っています。 次に、まちなかを歩いて楽しめる全市的な取り組みが必要だという御指摘でございました。私もごもっともだと思います。中心市街地にありましては、用水に沿って、あるいは卯辰山寺院群の中を、あるいは浅野川かいわいをめぐれるところの鞍月用水うるおいの道とか心の道とか、浅野川ふるさとの道とか名づけまして、現在整備を進めてございますが、さらに整備を進めてまいりたい、こう思っていまして、このことがまちなかの活性化に資すると同時に、市民の方々にとりますと学習にもつながりますし、健康づくりにも役立つ、こう思っておりまして、これからも一生懸命進めていく所存でございます。 次に、電子市役所のことにお触れでございまして、市、県、国との情報の共有化が必要だという御意見でありました。現在、国では平成15年度の本格運用に向けまして、都道府県、市町村間を相互に結ぶ総合行政ネットワークの整備を進めておるところでございます。本市におきましても、平成14年度にこのネットワークと接続をしたい、こう考えています。これによりまして、国と地方の迅速な文書、情報の交換が可能になりまして、行政事務の一層の効率化とサービスの向上が図られるものと期待をいたしておるわけであります。住民基本台帳のカードのことは所管の部長からお答えをいたします。 最後に、全州市との提携のことにお触れでございました。歴史的、地理的にも関係の深い隣国の韓国との交流には、かねてから関心を寄せてまいりました。日韓国民交流年でもございます本年であります。そうした意義のある年でもありますので、全州市と姉妹都市提携ができればまことに結構ではなかろうかと、このように思っています。学術、文化、スポーツの交流を期待するわけでありますが、これだけでありませんで、食文化、食の産業の交流、こういう経済的側面も大切にしたいというふうに思っています。 昨年、本市で食の見本市が開かれたわけでございますが、ここへは全州市からの出展もございました。ここにも期待を寄せてございまして、人と人、心と心のつながりを深めて良好な市民交流を目指してまいりたい、このように思っておる次第でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 生駒総務部長。   〔総務部長生駒貢一君登壇〕 ◎総務部長(生駒貢一君) 固定資産税につきまして、地価の下落に対する価格修正で13年度及び14年度の予算への影響はどうかとのお尋ねでございました。 税制改正に伴いまして、固定資産税評価額を国が示します土地の価格に関する修正基準によりまして価格修正を行った結果、13年度におきましては修正率は 5.5%、約3億 2,000万円の減となり、また14年度予算では修正率 6.6%、約4億円の減と見込んでおります。 以上です。 ○副議長(沢飯英樹君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 34番木下議員にお答えいたします。 学校週5日制について、幾つかお尋ねがございました。週5日制と新学習指導要領の実施に当たりまして、学校による土曜日の補習授業や早朝の補習や早朝の読書、学校行事について、校長の権限ではありますが金沢市教育委員会の基本的な考え方はどうかというお尋ねでございました。個に応じた指導の充実の観点から、放課後や長期休業期間中に個々の児童・生徒の授業で理解できなかったところの復習や主体的な調べ学習を教員が支援するなど、積極的に取り組むことが必要と考えております。なお、土曜、日曜の過ごし方につきましては、家庭や地域の一員としての役割や学校でふだん取り組みにくい体験活動の機会をふやすなどの取り組みが大切であると考えています。ほとんどの学校では、授業前の朝の時間を活用いたしまして、自習や読書などを行っておりまして、今後ともそうした工夫が進むと考えております。学校行事につきましては、学校教育充実の観点から見直しや工夫を図っていくこととなります。 教員の地域活動への参加を促す施策も必要と思うがどうかというお尋ねでございました。学校が保護者や地域と一層の連携を図ることは大切なことでございまして、その意味からも教員が地域活動に積極的に参加することは重要でございます。現在、野球、サッカー、ラグビー等の地域スポーツ少年団活動、科学教室、演劇等の地域児童文化活動の指導にも多くの教職員が積極的に参加しております。今後とも、校長会議等、さまざまな機会をとらえまして一層の参加を促していきたいと思っております。 絶対評価についてお尋ねがございました。これまでの評価と大きく変わる点、また評価する教員の研修をどうするのかというお尋ねでございました。これまでの評価は、集団の中での位置づけを示す相対的な評価を加味したものでございましたが、これからは一人一人の目標への到達度を見る絶対評価を重視することになります。評価に関する教員研修につきましては、教育研究センターでの研修、各学校での校内研修、評価研究モデル校における研究成果の周知などを通じ、全教員に評価のあり方を徹底していきたいと思っております。 保護者への説明についてお尋ねがございました。平成14年度より、絶対評価や個人内評価がより一層重視されるなど、評価のあり方が見直されますことから、金沢市教育委員会といたしましては、広報紙やホームページ等を通して保護者に対して周知を図っていきたいと思っております。また、各学校に対しましては、新しい通知表の見方も含めまして、その内容につき保護者に対し説明するよう指導しているところでございます。 学校2学期制を実験的に始める目的と留意点及び今後のスケジュールをお尋ねでございました。平成12年12月、金沢市21世紀教育懇話会から、これからの学校教育の基本となる授業の充実を図るため、長期休業期間や学期のあり方について見直しを図る、との御提言を受け、その具現化策として2学期制の導入を目指すものでございます。その目指すところは、授業時間を十分に確保し、ゆとりの中できめ細かな指導と評価により学力の確実な定着を図ることでございます。試行に際しての留意点といたしましては、1つの学期の期間が長くなる中で、子供たちが主体的に取り組めるよう、授業や行事等のあり方を創意工夫することや長期休業期間の活用のあり方等が想定されます。なお、モデル校で2年間の試行、研究の後、平成16年度からは全小中学校での導入を目指したいと考えております。 中高一貫教育について、県教委との中でどのような目的、形態で進めていくことになっているのかお尋ねがございました。中高一貫教育は、ゆとりある学校生活の中で6年間の計画的、継続的指導が可能となる等の利点を有する制度でございます。石川県では、門前町と富来町で連携型の形態で行われております。中高一貫教育の推進につきましては、全県的な視野からそのバランスや教員の配置等も含めまして県教育委員会が検討委員会を設置し検討を重ねていると聞いており、今後とも県の動向に注意を払ってまいりたいと思っております。 学力低下への不安がある中で、学力調査をどのように考えているかお尋ねがございました。金沢市教育委員会といたしましては、県の学力調査に協力するほか、全国的な視野から子供の学習状況や指導上の問題を把握し、金沢市教育委員会としての施策、指導に生かすために、国の学力調査を活用いたしまして小学校6年生から中学校3年生までを対象に、サンプリング調査で5月に学力調査を実施する予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 畑下市民生活部長。   〔市民生活部長畑下 勲君登壇〕 ◎市民生活部長(畑下勲君) 電子市役所についての住民基本台帳の準備と対応についてであります。 平成11年8月に住民基本台帳法が改正され、国の計画に基づき、本市は今日まで住民基本台帳ネットワークシステムの開発及び機器等の導入を順次進めております。住民基本台帳カードについても、計画どおり平成15年8月から希望する市民に発行するための準備を進めております。ICカードの効率的、効果的な利用については、平成14年度に設置予定の全庁的なプロジェクトチームの中で研究していきたいと思います。 以上であります。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(沢飯英樹君) この際、暫時休憩いたします。              午後0時12分 休憩-----------------------              午後1時2分 再開 △再開 ○副議長(沢飯英樹君) 出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○副議長(沢飯英樹君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番松本捷男君。   〔37番松本捷男君登壇〕(拍手) ◆37番(松本捷男君) 平成14年定例第1回金沢市議会に当たり、自民フォーラムを代表して以下数点にわたり質問をいたします。 かつてない厳しく難しい経済情勢の中で、国家財政は切迫した状況にあり、本市の財政にありましても将来を見据えると安閑としてはおられないものを感じます。昔から、家計を預かる者が暮らしを豊かにする秘訣は「入るを量りて出ずるを為す」ことであると言われています。収入をふやし支出を減らせば金は残る。収入がないときには支出を抑える。至極当たり前のことを着実に実践することが大変重要な時代になってきていると考えます。従来の発想にとらわれず、歳出を徹底的に見直し、新たな課題に対処し財源を的確に確保して財政改革をも怠りなく進める。改革と経済再生への待ったなしの年であります。まずは、最近の情勢をどのように踏まえ、どのような基本姿勢で新年度予算編成に臨まれたのかお聞かせいただきたいと思います。 国の動向にかかわらず、地域の将来を見据えた都市基盤の整備、地域経済の活性化や雇用対策など、着実かつ緊急に解決すべき課題が山積みしています。新年度予算の性格として、「まちを元気に くらしを豊かに あすの金沢をひらく重点予算」と掲げられており、地域経済の活性化と定住の促進、市民生活の安定と福祉社会の構築などが重要な施策推進の柱であることがうかがえますが、どのような思いを込めて性格づけをされたのかお伺いをいたします。 さて、本市の予算規模では、一般会計で 0.9%の減。しかしこの経済情勢の中、積極的な予算を編成されたのではないかと思いますし、公共事業についても国の2次補正での新年度からの前倒し執行があったにもかかわらず補助事業で27.7%の伸びを確保しており、必要な事業の切れ目のない執行が確保されたものと考えますが、予算編成における公共事業への基本的な取り組み方として、国と同じように削減方針で臨まれたのか、あるいは積極的な方針で臨まれたのか、その方針がこの予算案にどのように反映されているのか、基本的な姿勢とあわせお聞かせいただきたいと思います。 一方、歳入を見ますと市税が 0.3%減っており、歳入確保のための繰入金、特に基金の取り崩しが目立っております。明確な取り崩し目的のもとでなされたと思いますが、具体的にどのような事業を想定され、またどのような創意工夫をされたのか、財源確保に対するお考えをお伺いいたします。 また、国では国債発行額30兆円を守り、税金のむだ遣いをしない体質への改善が進められておりますが、本市の新年度の市債予算額を見ますと前年よりは減額とはなっているものの、 229億円、予算に占める割合で13.6%とまだまだ借金に頼らざるを得ない状況ではないかと思います。歳出の公債費を見ましても、前年より約30億円の伸びとなっており、過去に借り入れた借金の返済が歳出の13.5%を占める状況であります。国の景気対策に呼応した経済対策債による増とはいえ借金にはかわりなく、将来にわたって返済が続いていくこととなります。今後、国の交付税制度の見直しも予定されているだけに、これからの分権時代は地方自治の自立の観点からもみずからが意思決定した借入金をみずからの財源で返済していくことを基本とすべきと考えます。財政健全化を維持していく上での市債の発行と、公債費償還の将来展望、またそのための戦略についていかがお考えかお尋ねいたします。 質問の第2点は、都市再生についてであります。 都市としての金沢の歴史を見ますと、各位も御承知のとおり藩制時代から現在に至る 400年間、大きな自然災害や戦禍にも遭わず、安定した繁栄を享受してきた都市であります。そして、お城を中心に発達した城下町であり、まちなかに多くの人が住み生活してきたことが密度の濃い都市活動を生み出し、商業を活性化させ、特有のコミュニティーの土壌を形成する源泉にもなったと考えられます。しかしながら、近年の郊外への人口流出はまちの空洞化に拍車をかけ、まちなかの活力を衰退させています。このようなことからも、市がまちなかの定住促進に取り組まれておりますことは、まことに時宜を得たことであると思います。まちに人が住むこと自体が都市のあらゆる営みの根本であり、その意味でこの施策はまちなかの活性化、ひいては都市再生に向けた根幹的な施策であると思います。市では、今年度、専門のセクションを設け、住宅奨励金制度や共同住宅建設費補助制度などの支援制度を拡充、創設するなど、積極的な取り組みを行ってこられましたが、これら施策によってどのような定住促進の効果が得られたとお考えか、今年度の制度活用状況にあわせお尋ねいたします。 また、来年度から新たに建設部内に定住促進局を設け、まちなかの定住施策のさらなる充実を図られるとのことでありますが、具体的にどのような取り組みを進められるおつもりかお尋ねをいたします。 一方、郊外の市街化区域にありましても、土地区画整理事業による宅地の供給が進められております。逆に、まちなかの人口流出を促す側面や人口が減少するこれからの時代に逆行するような市街地の膨張を促す側面を懸念します。都市が持続可能であるためにも、コンパクトな都市づくりが求められる今日、まちなかの定住促進施策との整合性を図る視点も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 さらに、まちなかの定住に必要不可欠な要素としては、職場、学校や病院などの公共施設、商店街やレジャー施設、住宅、公共交通手段など、衣食住の環境が十分に備わっていることが必要であります。特に、これからの高齢社会を考えますと、自家用車の交通手段を持たなくても身近な地域の商店街で身の回りの物を購入できる利便さは、暮らしていく上でかけがえのないものになると考えます。しかしながら、地域の商店にとっては住民の定着がなければ採算がとれず、まちなかでの商売は容易なことではありません。市では、まちなか定住促進を拡充し推進しておられますが、これらと連動する形で地域経済の活性化策、具体的には商店への支援策を積極的に展開すべきと考えます。当初予算では、「屋」の字のつく店への支援策を初めとするまちなかの商店街や個店への支援策が盛り込まれておりますが、経営は個々の手腕によるところが非常に大きいと考えられることから、実際に支援を行う場合には支援するための明確な基準が必要になると思います。どのように取り組まれ、どのような効果をねらわれているのかお伺いいたします。 次に、固定資産税の話でございますが、午前中の答弁で市長の考え方はわかったわけでございますけれども、ここ20年の推移を見ますとどうしても都市部の負担が郊外部より実勢に比べて重かったような気がして仕方がありません。公平の観点からとか税上の技術的な問題で難しいと言われましたけれども、非常に苦しい商店のためにも固定資産税の減免は特別に考えるべきではないかと思うんですが、重ねてお答えをお願いします。 都市再生に向けた質問の第2は再開発の促進についてであります。昨年、香林坊から武蔵ヶ辻に至る国道 157号の拡幅整備が完成し、金沢駅東広場の整備も市当局の御努力により順調に進捗しております。また、金沢駅武蔵北地区では、第2工区のルキーナ金沢が42戸の住宅を即日完売し、福祉機器情報センターとともにこの3月末竣工の運びであり、都心軸沿線における整備工区はいよいよ第3、第4工区のみとなりましたが、現下の厳しい経済情勢の中でテナント誘致が進まず苦慮しているとも聞いております。 しかしながら、本市の大動脈である都心軸がまちなかのにぎわい創出に果たす役割は極めて大きいものがあり、また近江町市場の再整備や横安江町商店街の活性化計画、さらには別院通りの修景整備事業など、多面にわたるまちなかの活性化施策を相乗的に生かす上でも、第3、第4工区の一日も早い整備が必要であると考えます。市当局が、これまでも早期事業化に向けて努力を尽くされていることは十分承知しておりますが、緊急の課題である中心市街地の活性化のためにも、民間活力のさらなる活用を図るとともに、2つの工区を1つにまとめて整備するなど、新たで思い切った創意工夫を凝らした取り組みが求められていると考えます。改めて、これらの工区の整備見通しについてお伺いいたします。 さて、その近江町市場がある武蔵地区は、駅周辺と香林坊、片町の中間に位置する都心軸のかなめの場所であり、歴史ある商業地域であります。近江町市場が醸し出す庶民性と専門店のハイカラさが混然一体となったこの地区独特の雰囲気は、金沢ならではのものがあり、その魅力を全国に発信することができれば、大河ドラマで注目を浴びようとしているときだけに、武蔵ヶ辻の浮揚と新たなにぎわいの創出となるものと考えます。魅力発信に向けた大胆で新たな手だてを講じられるお考えがないかお尋ねいたします。 また、長年の懸案であった近江町市場の再整備につきましても、先月学識経験者や市民各層で構成される近江町市場再整備プラン検討会が開催され、計画案についての熱心な論議がなされたとお聞きしており、この上は早期着工を心より願うものでありますが、近江町市場再整備のコンセプト、整備スケジュールとあわせお聞かせいただきたいと思います。 さて、都市再生に向けた質問の第3は、歩くまちづくりについてであります。金沢のまちなかは、人が歩ける範囲の広さであり、まちなかを歩くことによって初めてその魅力が発見されるまちであります。しかし、まちを楽しみながら歩くためには安全かつ快適に歩ける環境を整えること、さらに拠点間の回遊性を高めることが重要であります。そのような意味からも、新年度において浅野川ふるさとの道を初めうるおいの道や心の道など、歩く回廊として整備されますことはまことに時宜を得たことと考えます。実施に当たっては、密集したまちなかでもあり、まずは住んでいる人に迷惑をかけないこと。さらにはわかりやすい案内標識を設置するなど、楽しんで歩けるための配慮や工夫も必要と考えますが、回廊整備の方針にあわせどのような仕掛けをお考えかお伺いいたします。 また、今議会に寺社の風景を保存するための新条例が提案されておりますが、沿道の修景ばかりでなく、既に失われた寺社の風景自体の修復をも視野に入れるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 さらに、香林坊と武蔵ヶ辻を結ぶ国道 157号線沿いを都心賑わい回廊と位置づけ、質の高い商業業務施設の集積に取り組まれるとお聞きしましたが、若い人を引きつけるハイセンスなブティックのような店が軒を連ねるなど、おしゃれさが不可欠と考えます。どのような戦略を持って、この回廊の計画を進められるか、そのお考えをお尋ねします。 花の都と言われるパリでは、まちなかの広場などで定期的に花市や小鳥市が開かれ、多くの市民や観光客でにぎわっております。本市でも、都心軸の一等地にただ漫然と彫刻を並べる発想ではなく、例えば金箔市や友禅市など、金沢ならではの工夫を凝らした市を催すことでまちの魅力を高め、人出を多くし、さらに本市伝統産業の活性化にも資することができると考えますが、御所見をお伺いいたします。 都市再生における最後の質問は、地域住民パワーの復活策についてであります。ひたむきな努力とすぐれた創意工夫を持った住民による都市活動が活力を創造するのであります。私は、NHK「プロジェクトX」という番組が大好きでいつも見ていますが、貧しい農村で初めて集団検診を実施した医師や、東京タワー建設にかけたとび職人など、先日は富士山頂の大レーダー建設にまつわる話でしたが、まさに利害を超えて仕事にかけた人たちが次々と紹介されております。我が国が焼け野原から復興し、奇跡の経済成長をなし遂げ、世界有数の経済大国になることができたのは、このような市井の名も知れぬ名人、名工などのひたむきな努力のたまものであったと考えます。翻って今日の世相はといいますと、努力をせずに何とか楽をしてよい目に遭いたいという根性であるように思えてなりません。都市を再生するためには、まずひたむきに取り組める住民パワーの復活が不可欠であり、そのためにお金ではなく世のため、人のために尽くす、そんな生きる姿勢をいま一度復活させる必要があると考えます。市では種々のコミュニティー再生施策を展開されておられますが、そのような人づくりに向けた新たな手だてをお加えになる考えはないかお伺いいたします。 我が国の持続的な発展を取り戻すために、財政を初め福祉、経済、教育など、社会の各分野における構造改革を不退転の決意で進めなければなりません。これらの構造改革が本番を迎えた今、自治体にあっても持続的な地域発展の流れをつくれるかどうか、まさに正念場であります。積極的に取り組んでまいらなければならないと思います。 そこで、質問の最後は各分野における改革についてお尋ねします。 我が国の社会福祉制度につきましては、社会福祉の仕組み全般にわたって見直しが行われ、新しい制度を確立していくための社会福祉基礎構造改革が進められております。 まず、介護サービスを措置制度から保険制度へと転換した介護保険の導入であります。制度がスタートしてはや3年がたとうとしておりますが、この間に介護サービスを取り巻く環境は大きくさま変わりをしました。まちではデイサービスに通うお年寄りを乗せた社会福祉法人や医療機関等の車両をよく見かけるようになり、本市の介護サービスの充実とサービスの担い手の多様化から改革が確かに進んでいることを実感いたします。この制度の趣旨は、これまで行政サービスとされてきた福祉の領域に競争原理を導入することにより、さらに効率的で質の高いサービスを提供していくことにあり、本市にあっても民間活力を生かしたより効率的なサービスの提供を目指していかなければなりません。その意味からも、民間にできることは民間にゆだねるということを基本に、その市場は今後とも開かれたものでなければならないと考えますが、市長は福祉サービスの市場化をどのように受けとめておられるのか。また、そのことをどのように活用していくお考えか、本市の福祉サービスにおける民間参入状況とあわせお聞かせいただきたいと思います。 さて、市が設立した福祉サービス提供の主体としての福祉サービス公社があり、介護サービスの提供と老人福祉センターの管理運営を事業として実施していますが、事務局運営に対して多額の補助金が支出されております。老人福祉センターなど、施設管理は受託事業であり、その分の事務局の人件費の負担は理解できますが、介護サービス分野においては事務的経費を含め独立採算であるべきと考えます。また、介護サービス市場への民間参入の意欲は大きく、より簡素で効率的な行政であるためにも、その活力の利用を基本に、増大が予想されるニーズにこたえていくべきと考えています。政府の特殊法人改革が進められようとしている折でもあり、公社のさらなる効率的な運営体制を確保するとともに、見直しを含めた将来のあり方も検討に着手すべきではないかと考えますが、現在の経営状況、補助の実態とあわせ御所見をお伺いいたします。 次に、地域経済の改革に視点を当ててお伺いいたします。本市では、昨年12月、金沢市商業環境形成まちづくり条例を制定し、商業環境形成指針の確定を見て、市民、事業者の理解と協力を得ながら個性豊かで住みよい都市環境の形成に努めています。消費者の利便向上をもたらす側面を持つ大型店と地元商店街との共存は、言葉では簡単ですが現実においては極めて難しい問題であると思います。改めて指針の目標に掲げられている大型店と地域商店街との共存が本当に可能なのか、改めて市長の御所見をお伺いするとともに、当初予算ではそのためにどのような手だてを講じられたのかお尋ねします。 経済活動の原点は、競争原理のもとでの需要と供給のバランスにあり、競争は効率性を向上させ、経済の活性化に役立ちます。したがって、経済再生のためには民間需要主導の着実な経済成長が最も有効であることは言うまでもありません。その意味で、大型店進出に係る規制を緩和することは経済活性化の1つの手だてであり、地区ごとに環境形成を考えた商業集積を目指す本市の指針との間には、大型店舗の出店を抑制するものではないとの説明はあるものの、相反する方向性があるように思えてなりません。今後、国の規制緩和の流れとどのように整合性を図り指針を有効に活用していかれるのか、お考えをお尋ねいたします。 次に、教育改革についてであります。本年4月、新しい教育課程が実施されることから、本市でも学校教育の基本的なあり方について幅広い観点から検討が行われてきております。しかし、最近の児童虐待や少年非行の凶悪化など、一昔前では想像もつかなかった事件が起こっている現状を見ますと、人としての生活倫理や規範意識をはぐくむという原点に戻った心の育成が求められていると思われてなりません。またIT化の進展は、家ではテレビゲームに興ずる子供、携帯電話でメールのやりとりを行う若者を育ててしまって、面と向かって話し合ったり議論を深めておつき合いするということがなくなり、このことが人と社会との関係を弱めており、お年寄りなど弱い人への配慮、隣近所とのつき合い、そして相手への気遣いなど、人として当たり前の心を持った人を育てることがますます不可欠であると考えます。 その意味で、人と社会に正しく温かい心配りのできる人を育てる公民教育が今求められています。幸い、金沢には善隣館活動や公民館活動などをはぐくんだ地域コミュニティーがあり、義勇消防など社会的にも大きな意義のある地域活動が身近に実践されています。このコミュニティーの土壌を生かし、金沢らしい公民教育を展開されるお考えがないかお尋ねいたします。 本市では、市長の卓抜した発想のもと、金沢方式と言われる独自の方法によって校下に公民館が設置されております。この全国どこにも見られないきめ細やかな生涯学習の基盤を公民教育の場へと発展させていくことが、今求められていると考えます。本年秋には、全国生涯学習フェスティバルが開催されますが、このイベントを一過性のものに終わらせないためにも、公民館を活用した新たな公民教育を展開されるお考えがないかお伺いいたします。 また、学校においても総合学習の時間を活用して、社会生活の基礎を学ぶ道徳教育を強化していくことが不可欠と考えますが、地域の潜在的な力を十分に活用した金沢らしい総合学習を展開されるお考えがないかお伺いいたします。 心の教育は、本市でもこれまで実践されてきたところでありますが、教育が福祉施策や文化施策と連携する新たな発想と視点に立ち、総合的に展開すべきと考えますが、市長の御所見をお伺いして私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 37番松本議員にお答えをします。 まず、予算編成についてでございますが、どんな姿勢で編成をしたのかということでありました。市税が伸びません。また、ここ数年ずっと続けてまいりました景気対策に伴います市債の増加がございます。国は、財政構造改革の名のもとに、公共事業を削減する、また各種の財政制度を見直すというようなことがございまして、予算編成は大変難しい、そういう局面に立たされたことは事実でございます。しかし、金沢市政に停滞は許されません。継続事業でございますところの駅東広場の整備、またかねて準備をしてきております美術館の建設等の基幹事業は引き続き進めていく。そして中心市街地を活性化させ定住を進め、地域経済の安定と雇用の確保を図る。そして、福祉と環境と教育の課題に確実にこたえていく。市民の生活実態から考えて、公共料金は据え置くというような配慮をした次第でございます。 結果として、一般会計で前年度比 0.9%の減ということになりました。地方財政計画は 1.9%の減でございまして、これを上回る規模になった次第でございます。世界都市戦略会議の提言を具現化するとか、あるいは未来を担う子供の育成施策、こういうようなこと。あるいは、金沢の将来を見据えての施策、こういうことにいろいろな施策事業を盛り込みまして、そして予算の性格を「あすの金沢をひらく重点予算」としたものでございます。ともあれ、精いっぱい頑張ったと、こういう表現でお許しをいただきたい、このように思います。 公共事業でございますが、積極的に進めるべきものと時間をかけて進めていっていいものとに区分をしまして、重点事業には財源を傾斜配分するということにいたしました。工夫をしたつもりでございます。 財源確保のことを御心配でございました。なかなか厳しい状況ではございますが、いろいろ早くから年次的に積み上げてきた基金がございまして、この基金を対象事業の年次計画に沿って取り崩すということにしたわけであります。駅北の土地区画整理事業に対しましては、まちづくり事業基金を取り崩すことにいたしました。また、美術館につきましては、公共施設整備積立基金を取り崩すということにいたしました。これからも、計画的な基金の運用を図っていくわけでございまして、基金の取り崩しもし、また新しい財政需要も生じてまいりますので、状況を見ながら今度基金を新規に積み立てると、こういうことも視野に入れて運営に当たってまいりたいと、こう思っておるわけであります。 財政健全化への将来展望を示せということでありました。地方債を財源にせざるを得ないというのが率直なところでございます。地方債というのは長期にわたって利用できる道路、公園等の整備に充ててきておりまして、その償還に当たりましては将来にわたって市民の方々に御負担をいただいてもいいと、そういうものに限るわけでございまして、そういう視点から発行してきているものでございます。しかし、本市の場合は交付税で措置される起債に厳選をいたしておりまして、その結果、実質の税金での償還というのは償還費全体のおおむね44%だと、このことをひとつ御理解いただきたいと思います。これからも、市債の現在高には十分注意を払っていかなければなりません。市債発行はできるだけ抑えると。そして、繰り上げ償還ができれば、努めてこのことを配慮するというようなことを通じて、健全な財政運営に努力をしていきたい、このように思っておる次第でございます。 都市再生、まちなかに元気をということについて、幾つかお尋ねでありました。今、日本の都市はおしなべてまちなかが衰退をしています。この原因は多々あります。私なりに思っておりますが多くは語りませんけれども、そういう中で日本の場合は国の土地政策が貧しかったと私は率直にそういう思いを持っています。そういうことを感じながら、私は少なくとも日本の中では早くから中心市街地の活性化方策を市単独で講じてきたという、ある意味では自負も持っておる次第であります。しかし、十分であると思っていませんで、これからもなお努力をしなければいけないと思っています。 土地政策が貧しかったというふうに申し上げて、確かにまちなかの土地価格は高過ぎたという思いがあります。しかし、ここに来て土地価格は落ちてまいりました。土地価格が落ちるということは、床単価が落ちるということでございまして、そういたしますとそのことを使って逆に中心市街地の活性化方策を進めると、そういう1つの時期ではなかろうか、そんな思いも持っていることを申し上げておきたいと思います。 そこで、まちなか定住施策でございますが、かねてから進めてきた仕事の効果、利用状況につきましては建設部長からお答えをいたします。 そして、定住施策をどう進めていくのかということでありますが、新年度からはまちなか区域を拡大するということにいたしておりますし、また戦前に建築された住宅の改修に助成をする、そんな新しい仕組みを設けることにいたしました。また、建設部に定住促進局なる局を設けて、そして住宅政策課を設けて政策をより一層進めていきたいと、このように思っておる次第でございます。 そこで、お尋ねの点は郊外の区画整理とまちなかの定住施策との整合性は図れるのかというお尋ねでありました。郊外の区画整理は言うまでもありません、良好な住環境を整備するということが1つあります。加えまして、主要な公共施設を整備する。外環状道路を区画整理事業で生んでいることはまさにその一例でございますが、このようなことをして都市機能の向上を図る、そのことが区画整理事業の大きい意義なんであります。一方、中心市街地を活性化させて、そして魅力ある都市をつくっていくためには、まちなか定住施策も必要でございまして欠かすことはできません。私は、双方の施策が都市の均衡ある発展のための車の両輪だと、双方とも必要だと、このように思っておる次第でございます。 まちなかの商店支援をどう進めるのかというお尋ねがございました。これまでも、全国に先駆けた中心市街地活性化施策の中で、商店街の自主性を尊重したモデル共同事業を支援してまいりました。あわせまして、モール化を進める。まちなかに広場をつくる。ふらっとバスを走らせる。歴史施設、文化施設をつくる。こんなような一連の整備を積極的に推進してきたところでございます。個店に対する直接支援というものは、経済活動の公平性という立場からいたしますと限界がございます。そういう限界がございますので、商店街が共同して実施する店舗の改装、あるいは空き店舗の出店助成等に限っておりますが、新年度でもコミュニティーの核となる個店改装助成制度、こういうものも新設したことを御承知いただきたい、このように思います。 それから、まちなか定住促進に関連して、一定の期間、固定資産税を減免することはできんのかというお尋ねでありました。固定資産税というのは、資産価値に着目をいたしまして課税するものでございます。地元産業に限定をして一定期間減免することは、負担の公平性とか補てん財源の確保という視点からいいますと大変難しいと、こういうことであります。地価の下落に対応いたしまして、毎年修正を行いまして適正化を図っているということでございます。もう1つ申し上げますことは、本市の商業地での評価額に対する負担水準は45.6%、これは評価額に対する課税標準額の割合でありますが、全国が57.7%でございまして、これを下回っておるということもひとつ御理解いただきたいと思いますし、なお、家屋につきましては、高度利用地区に限定をいたしますが、不均一課税が行われておると、このこともひとつ御承知をいただきたいと思います。 武蔵北地区の第3、第4工区の見通しはどうかということであります。依然として厳しい状況にあるわけでありまして、テナントの確保に苦慮しているところでございますが、都心軸の整備、中心市街地活性化のためにも早急な整備が必要と考えております。新年度におきましては、PFI等の民間活力の導入も含めて、2つの工区を同時に整備する手法等を研究して、そしてできるだけ早く事業化につなげていくように努力をしたい、こう思っておる次第でございます。 武蔵地区の魅力発信に向けて、大胆な手だてを講ずるべきだというお話でございました。武蔵地区というのは、かねて気になる地域でございまして、平成11年でございますが、商業活性化基本構想をつくった際に「多彩な個性と歴史が共存する生活文化地区」と、こんなふうに位置づけてあります。それぞれ商店街が異なる歴史、環境を十分認識をして、みずからが商店街のあり方と方向をしっかりと見出して、お互い緊密に連絡し合うことが何より基本、このように思っています。市といたしましても、近江町市場と横安江町の再生には地域の皆さんと一緒になって、食文化の発信、新しい門前町の形成、そういうことに計画を定めてトータルとしての公共空間の整備と商店街事業のサポートにできるだけのことをしたい、こう思っております。 近江町の再整備の方法についてお尋ねになりました。御案内のとおり、木造老朽家屋が密集をしておりまして、機能が低下をしています。この現状を改善し、そして歴史と伝統のあるあの市場の雰囲気を大事に守って、そして再整備を進めたいと思っております。ハイヒールを履いてハンドバッグを持ってそして訪れる、そんなところではなくして、あくまでも金沢市民の台所でございまして、ふだん着で行けて、そして金沢弁が飛び交うと。対面販売のあの雰囲気を続けていく、これを目指したいと思っています。スケジュールといたしますと、ことし6月に都市計画の決定を行いまして、明年度末までに本組合の設立をして、15年度着工、17年秋ごろの完成、この方向で努力をすることでございます。 歩くまちづくりを進めるようにということでございました。このことの大切さを思っております。できるだけ通過交通を抑える、そして市民の方、また観光客が楽しく歩けるように、各所に案内板やベンチ等を設けて、そして安全で安心な散策路の整備を行いたい、こう思っております。私は、こんなことを考えています。歩く回廊の整備はポスト大河ドラマの対策、こう思っておる次第でございます。 寺社の風景を保全する新しい条例では、失われた風景の修復も視野に入れるべきであるというお尋ねでありました。かつては土塀や山門、鎮守の森、周辺のまち並みと調和しまして個性豊かで魅力的なまちをつくってきたわけでありますが、境内が駐車場になりまして、地域住民のコミュニティーの場、憩いの場がなくなってきたということを私は大変残念に思っております。したがいまして、この際はこの条例を制定しまして寺社等の風景の保全を支援しようとするものでございます。支援策を充実してまいりますと同時に、このことについての市民の意識がさらに高まってほしい、こういう願いを込めておるわけであります。 次に、都心賑わい回廊として路面店を誘致する戦略を立てよということでありました。今まで市の中心市街地活性化策は、武蔵地区と香林坊地区にそれぞれ区分けして進めてきたわけでございますが、昨年国道 157号の拡幅が完成しまして、したがいましてこれを踏まえて2つの地域を連結する方策が必要になってきたというのが都心賑わい回廊を考えた契機なんであります。新年度は、まず建物や駐車場の現況、商業者等の意向を調査して、それに基づいて商業の業務機能や公共空間、民間空間のあり方、形成方策等を地域の皆さんと一体になって考えていきたいと、このように思っておるわけであります。 金箔市であれ友禅市であれ、市を催してはどうかというお尋ねでありました。この御提言の伝統工芸品の路上市というのは、商品の性格からしますと大変難しいと思うわけであります。しかし、現況の銀行とかオフィス街の中にも古美術とか陶磁器とか水引のお店がございますし、ギャラリーもあれば音楽教室等個性のある店も点在をしているわけでありまして、そうした特性を生かした商業環境が形成できないか研究してまいりたい、このように思っております。 そこで、都心再生に関連をして住民パワーの再生が必要だという御意見でございます。私も同感であります。同じことを思っています。「プロジェクトX」というのは戦後の画期的な事業を、熱い情熱と使命感に燃えて夢を実現させてきた先達者の挑戦と変革の物語番組である、そのように思っています。夢を信じてかたい決意のもと、不屈の精神でもって命をかけて目標に挑戦するその姿に感動を覚えるわけでございまして、先達者の偉大さを痛感する次第であります。1人でもそのような人がこのまちにも育ってほしいという思いはあります。各種の市民団体と連携しながら、地域活動に有為なマンパワーの育成に努力をしてまいりたい、そのように思っています。とりわけリーダーの必要性、大切さを痛感しています。 次に一連の改革について、まず福祉の基礎改革につきまして、福祉サービスの市場化をどう受けとめているかということでありました。多様な事業者の参入がございまして、そして利用者がみずから選択できて、そしてサービス利用を拡大することができるという点で、市場化は重要というふうに思っています。また、事業者間の競争を通じまして、より一層質の高いサービスが効率的に提供されるようになると考えておりまして、今後も民間活力を生かしたサービスの提供を基本にしてまいりたい、このように思います。事業者の介護サービスの面の参入状況でありますが、14年3月1日現在で 590の事業所がございます。内訳は医療機関、社会福祉法人が 413、株式会社等民間事業者が 117、その他が60ということになっております。 そこで、福祉公社の将来のあり方についてお尋ねでありました。この福祉サービス公社におけるサービス事業量はほぼ一定を保っております。事業量の拡大分については民間事業者が担っている状況にございます。公社の事業者としての役割は、質の高いサービスの維持、公的責任の履行ということでございまして、これは大切に思っております。今後とも人材の育成と公社機能の充実が図られるように努めてまいりたいと思います。 そこで、現在の経営状況をお尋ねになりました。老人福祉センター管理等の受託事業の一般会計と、介護保険事業の特別会計に分けて経理をしています。一般会計には補助金を出しておりますが、介護保険特別会計には市からの補助金等は一切ございません。あくまでも独立採算性でございまして、介護保険事業の収支につきましては、12年度も13年度も黒字になる見込みでございます。 次に、経済改革に視点をお当てになりまして、大型店と地域商店街との共存は可能なのかというお尋ねでありました。先般つくりました商業環境形成指針は、今日までの郊外における無秩序な商業立地が、まち全体に大きい影響を及ぼしておりますことから、あるべき商業のまちづくり基準を示したものでございます。大型店、既存商業、いずれに偏るものでありませんで、双方の適正な商業活動の伸展を願うものでございます。新年度予算におきましても中心市街地では近江町、横安江町等の再生整備に全力を挙げることにしておりますほか、地域商店街では経営改善モデル商店を奨励しまして、買物カート等快適性を高める共同事業を支援することにいたしております。 次に、規制緩和の流れに商業指針は相反していないのかという御趣旨でございました。小売商業の状況は百貨店、スーパーの倒産等、メガショップ時代から専門店化、差別化傾向を強めておりまして、大きくさま変わりをいたしております。指針はこうした環境変化に対応しまして、消費者が安心して買い物できる商業環境を、まちづくりの視点から整えようとするものでございまして、経済の自由競争は確保されております。規制緩和の流れに逆行するものではありません。私の率直な気持ちは、スーパーの利便性価値は認めたい。同時にまちなかの「屋」の字の商売屋さんも大切にしたい、この趣旨でございます。 教育改革に関連をしまして、公民教育を展開せよということでありました。私も同感であります。今ちょうど市内の公民館はできて50年になりました。戦後、公民館で行われた教育は公民教育の名のもとに言われました。しかし今は公民教育という言葉は使われません。かわって社会教育であり、生涯学習であります。私は公民というのは国家とか郷土の一員を公民というのでありまして、国家とか郷土に配慮のできる人をつくる公民教育の大切さを痛感しています。今こそ原点に戻るべきという思いを持っておりまして、公民館が主体となり、また町会、婦人会、消防団、善隣館等、さまざまな市民団体の活動を通じて、金沢らしい公民教育を展開してまいりたい、このように思います。他人を思いやる心、社会貢献の精神等をはぐくむために、福祉施設等でのボランティア活動を積極的に取り組んでまいりました。また、ふるさと偉人館をつくったり、鏡花記念館をつくったりいたしまして、郷土を愛する心等を育てるように努めておる次第でございます。これからも福祉、文化との連携を密にして、心の教育を充実してまいりたい、このように思っております。 ○副議長(沢飯英樹君) 山本建設部長。   〔建設部長山本文男君登壇〕 ◎建設部長(山本文男君) まちなか定住施策の制度利用状況と、これによります効果をどのようにとらえているのかとのお尋ねにお答えいたします。 まず、住宅奨励金制度の利用の状況でございますが、今年度は57戸で昨年度の36戸に対し58%増と大幅に伸びております。また、今年度からスタートした共同住宅補助制度でございますが、7件72戸の認定を行い、さらに住宅団地整備補助制度では1件4戸の認定を行ったところでございます。 制度利用の特徴といたしましては、住宅奨励金制度の申請者のうち30%の方が市外を含めたまちなか以外からの利用となっております。とりわけ住宅奨励金制度利用の66%、また共同住宅補助制度利用の71%が空き地、駐車場などの未利用地からの建築といった状況でありまして、これらのことからまちなかでの定住はもとより、土地の活用を促す上でも大きな効果があったと思っております。 以上でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 37番松本議員にお答えいたします。 全国生涯学習フェスティバルを一過性に終わらせないためにも、公民館を活用した新たな公民教育を展開する考えはないかとのお尋ねでございました。御指摘のとおり、あすの社会を担う子供たちを育てていく上で、公民としての教育は大変重要であると私も認識しております。各地区の公民館では地域コミュニティー再発見事業やふるさと教育など、いろいろな機会をとらえまして公民教育に取り組んでいるところでございます。本年10月に開催いたします全国生涯学習フェスティバルにおいても公民館活動の紹介などとあわせましてクリーンキャンペーンなど、地域が一体となった実践的な取り組みも企画しております。今後とも公民館を核に公民教育を積極的に展開してまいりたいと思っております。 社会生活の規範を学ぶ道徳教育を強化していくことが不可欠と考えるが、地域の潜在的な力を十分に活用した金沢らしい総合学習を展開する考えがないかとのお尋ねでございました。規範やルールなどの道徳の指導内容が日常生活に生かされるためには、家庭や地域との共通理解を深め、授業におきましても保護者や地域の人々の参加や協力を得ることはとても大切なことでございます。各学校では総合的学習の時間において、このことに積極的に取り組んでいるところでございまして、今後とも地域との連携をさらに深め、充実を図ってまいりたいと存じております。 以上でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 33番南部康昭君。   〔33番南部康昭君登壇〕(拍手) ◆33番(南部康昭君) 定例第1回3月議会に当たり、私は公明党議員会を代表いたしまして質問をいたしたいと思います。 市長、同じ質問ではお疲れでしょうから全く違う視点でお尋ねいたしたいと思います。----------どうぞリラックスして聞いていただいて、ぜひ含蓄のある深い御答弁を期待しながら質問に移りたいと思います。 最初の質問は文化芸術の振興にかかわる問題について何点かお尋ねいたします。 国の新年度予算案を見ますと、文化芸術の振興として第2次補正予算計上額を合わせますと 1,125億円と超緊縮財政の中、わずかでありますが76億円の増となっております。このことは今後注目すべき政策であろうと私は思っております。昨年11月30日に文化芸術振興基本法が国会において成立いたしたことは御承知のとおりであります。この基本法制定は、日本の国が文化芸術大国への実現に向けた出発点であり、心豊かな21世紀日本の構築への重要な柱となる政策と思うのであります。 さて、アメリカが今日の文化芸術大国に発展してきた要因は、実は1930年代の大恐慌時代にフランクリン・ルーズベルト大統領が実施したニューディール政策にあったと言われております。ニューディールといえば景気を浮揚させるために大規模な公共工事が行われたことがよく知られておりますが、一般的に知られていないのは、同政策の第2期に美術・演劇・音楽などの文化芸術政策を国を挙げてのプロジェクトとして推進されたことであります。そして、今やブロードウエーミュージカルやハリウッド映画に見られるように、文化芸術作品や関連施設に世界じゅうから多くの観光客が集まり、また世界じゅうに多くの作品を輸出し、文化芸術が一大産業として不動の位置を占めているのであります。この点に着目した総合研究大学院大学教授の出口正之氏は「ニューディール時代の文化政策の実態と意義」と題した論文を昨年5月に文化経済学会で発表いたしました。その論文によりますと、文化芸術政策はフェデラルナンバーワンと呼ばれ、連邦美術プロジェクト、連邦音楽プロジェクト、連邦劇場プロジェクト、連邦作家プロジェクト、歴史記録調査の5つから成り立ち、詳細は省きますが、美術の分野では 5,300人もの美術家や専門職の人たちが雇用され、この人たちにより学校、病院など 2,500カ所の公共建築物を使用した壁画制作が行われたほか、1万 800に上る絵画、1万 8,000の彫刻などがこの時期に制作され、さらには芸術教育部門の教師も積極的に雇用されたということであります。また音楽部門では、1万6,000人の音楽家と関連職の人が雇用され、毎週全米で 5,000の公演が実施され、 300万人の聴衆を集めたのであります。創作では 1,500人の作曲家により 5,500曲が作曲されました。劇場部門では最盛期に1万 2,700人の人が雇用され、毎月 1,000の公演が開催されました。ここで雇用された人たちの中にはオーソン・ウエルズ、バード・ランカスターなど、後にハリウッドの名優として活躍する人物も数多く含まれていました。 では、なぜルーズベルト大統領は未曾有の不況の中で文化芸術の振興にこれほど力を注いだのか、出口氏はその理由として、当時の政権が文化芸術の持つ公共性を高く評価していた点を上げています。御承知のように、道路や橋が一度つくられれば長い年月にわたって多くの人や車の通行に利用されるように、1つの戯曲、1つの楽曲も名作であれば時を超えて上演、演奏が繰り返され、そこには経済的視点から見ても大きな波及効果が生じるのであります。例えばシェークスピアの戯曲は発表から 400年経た今日も世界じゅうで多大な経済効果をもたらしています。有名な「モナリザ」は、これまでどれほど多くの人が鑑賞してきたか想像もできないくらいであります。また、ベートーベンの「運命」は世界じゅうでどれだけの人が聞き、感動し、勇気づけられたか。ルーズベルトにはそうした文化芸術の持つ公共性に対する強い認識があったことにあります。文化芸術の公共性とは、公共性のあるものは一般化していく要素を持ち、社会や日常の生活の中に根づいていく、このことは人々の心の中に文化芸術への意識が自然な形で定着することとなり、政治、経済、教育を初め、あらゆる分野の根底をなしていくと言えます。 翻って我が国は、世界じゅうからもたらされた多くの音楽、美術、文学、演劇などが息づく国であります。また、能や歌舞伎、狂言、音曲、日本画、落語、古い歴史を持つ芸術や文化も数多くあります。しかしながら、現在の日本は文化芸術の振興に対し、その公共性を評価し、着目しているかといえば、まだまだの感がぬぐえないのであります。例えば、冒頭述べた日本の文化予算はGDP比でフランスの10分の1、アメリカは政府予算こそ少ないが、個人の寄附が多く、文化芸術活動への寄附は実に年間1兆1,300億円と、我が国の約 200億円の60倍という膨大なものであります。もちろん寄附金控除という税制の問題もあろうかと思いますが、我が国の現況は余裕があるときだけメセナ--文化活動と称して助けるというのが日本の大部分の経営者ではなかろうかと思います。そうではなく、文化そのものが経済を支えていく大きなものになる。すなわち構造改革の一環が文化であることを我々も認識すべきではないでしょうか。最近、金沢の経済界の方々に接するたびに、この不景気に金沢市は美術館を建てるなんて税金のむだ遣いだ、山出市長は何を考えているのかとの声を聞くのであります。まことに残念でなりません。そこで質問に移りたいと思います。 市長、今ほどの雑音は全く気にすることはありません。何度も私は言うのですが、後世に金沢の市民が誇りとなる立派な美術館を建てていただきたい。幸い低価格落札でお金は余っております。市長の美術館にかける思いと、御意見をまずお聞かせ願いたいたいのであります。 次に税の問題ですが、東京都はホテル税を独自に創設し、物議を醸し出しました。しかしながら、その後の経過から見ても、地方分権と言いながら、税財源を移譲しない国に一石を投じたことも間違いありません。もちろん地方自治法から見れば大変に難しいことは承知いたしておりますが、金沢市独自の施策を創設できないものか。文化芸術に個人や法人が寄附した場合に、税控除の制度が自治体としてできないものか。今の制度からいけば、特定の財団法人などに寄附を行っても寄附金控除を受けることができません。国が税制改革すればいいのですが、それができないとすれば、金沢市に例えば受け皿として金沢文化芸術基金を創設し、全国の個人、法人の寄附を集めるシステムをつくれないのか、お伺いいたします。 例えば、年間所得が 4,000万円の方が 1,000万円寄附した場合に、所得税、市県民税の控除を受け、正味所得が 1,100万円、しない人は 1,600万円と、その差は約 500万円となります。今どきだれがそんな奇特な人がいるかと思われそうですが、そうでもないと思います。静かに、そして寄附した方への恩典制度を確立しながら推進することができないものか、お答えをいただきたいと思います。あわせ、アメリカの税制度について御存じであれば御答弁をよろしくお願いいたします。 さて、世評では山出市長という方は財政家であるとか、能吏であるとか、気配りの人であるとか、さまざまであります。いやいや私は、あなたはたぐいまれな政治家であるとともに、文化人としてはトップクラスと思っております。あなたは、金沢は日本の中で最も文化密度の高い都市であり、そのことが金沢の個性となってこの文化遺産を守って育てて、質を高めながら世界に発信すべきとの思いで取り組まれたこの12年間ではなかったかと御推察するところであります。市長の文化芸術論と、出発したばかりの国の文化芸術の振興策はどうあるべきか、御高見を承りたいのであります。あわせ、新たな視点での雇用対策を研究なさるおつもりはないか、お聞かせ願います。 三文豪泉鏡花、室生犀星、徳田秋聲の記念館もやがてはそろい、大河ドラマ「利家とまつ」の放映にあわせ、前田土佐守家資料館がこの4月にオープンするなど、先人の残したものと、あなたが着実につくってこられたものが点と点で結ばれ面となり、やがては文化の薫り高い世界都市金沢へと発展していくと思うのであります。20世紀に人々がパリやニューヨークにあこがれたように、21世紀は日本の金沢へ行きたい、住みたい、日本一、世界一にしたいとのあなたの思いが伝わってまいります。戦略会議の提言を受け、この厳しい財政難の中、どのように具現化されていくのか、世界都市金沢の大ビジョンをぜひ御披露願いたいのであります。あわせ、本市の仮称文化芸術プランの策定について、その方向性をお示しください。 第2は茶室復興事業についてお聞きいたします。これまで本市が集積してきた茶室は、主なものを挙げますと松声庵--幕末から明治にかけて数寄者として知られた金谷三次郎邸のお茶室であります。耕雲庵--粟崎に加賀藩時代の材木商、木谷藤右衛門が江戸末期に京都の数寄屋大工に建てさせたものと言われております。郷土の偉人、高峰譲吉博士の生家の茶室、そして匠心庵、旧園邸の茶室、梅庵などがあります。そしてきわめつきは、美術館の敷地に移築されます松涛庵、直山邸宅山のお茶室であります。そのほか旧中村美術館の茶室など、建物の中にある茶室は数多くあり、これだけの茶室を配置している都市はあるのでしょうか。そこで、具体的にはどのように使われていくのでしょうか。これまでの実績から教えてください。また、茶人山出市長にぜひ松涛庵の由来と茶の心を教えていただきたいのであります。 第3は、関連して子供の文化体験活動等の充実についてお聞きいたします。バイオリニストの辻久子さんは、子供のときに本物の芸術に触れて、豊かな心をはぐくむ必要性を痛感するとともに、才能ある若い芸術家も育てていかなくてはならないと、文化は子供たちに継承していかなくては途絶えてしまいます。また、阪神大震災をきっかけにボランティア活動を続けているプリマバレリーナの浮島智子さんは、心の復興には文化の持つ感動の力が不可欠と訴えています。ファッションプロデューサーの大出一博氏は、今私たちは原点に戻って、みずから持って生まれた五感を鍛えなければ心の豊かな人間は育ってこない。感性を磨くことの大切さは人間育成の第一歩です。そして、文化芸術活動はその源であると叫ばれているのであります。 そこで、本年度から加賀宝生子ども塾の開設がうたわれていますが、具体的な内容を明らかにしていただきたいのであります。私は子供たちと文化人、芸術家との触れ合いが大切であると考えますが、予算案に美術館・学校連携活動として学芸員と教職員との連携活動研究会の設置などがうたわれていますが、肝心の子供たちとの接点をどのように考えておられるのか、あわせお伺いいたします。 第4に、仮称金沢21世紀美術館のネーミングについてであります。どういう経緯で21世紀美術館なのか、仮称とはいえ、そのお考えをお聞きしたい。私は30年、50年先を考えますと、やはり金沢現代美術館などの名称の方が風格、位置づけ、重み、方向性がはっきりとしていていいのではないかと思うのですが、現在の名称は新世紀を迎えた今はいいとして、将来的に焦点がぼやけてくるのではないでしょうか。お考えをお聞きしておきたいのであります。 第5に、食と文化についてお尋ねいたします。今、北大路魯山人が人気となっています。どこに魯山人の人間としての魅力があるのか、一般に芸術家は文化勲章や人間国宝に指定されることが目標であったり夢であったりするが、彼は当然人間国宝に推挙されましたが、これを拒否いたしました。芸術家はどんなものであれ、位階勲等等とは無縁であるべきとの信念を貫き通したからです。無論文化勲章はいわんやであります。お金を積んでもなりたいという人がいるのに、驚きのことであります。しかし、時がたち、それらを受けた芸術家たちの名は忘れられ、北大路魯山人の名声はますます高まりつつあります。一体どちらが本物の芸術家と言うべきなのか、多分これほどの傑出した才能と人格を持った人間はもうあらわれることはないだろうと評価されているのです。大正4年32歳のとき、金沢の料亭山乃尾の大田多吉、山代温泉旅館の吉野屋の吉野治郎、茶人細野燕台らと交わり、ここで料理に関して開眼したと言われています。 さて、話は変わりますが、フードピア金沢2002も終わり、昭和60年に第1回が開催され、本年で17回を数え、冬の祭りとして定着した感じがあります。本年の参加者数は18万 6,283人と、ここ数年は横ばいとなっています。また、参加者数の内容を見ますと、食談の35%が県外でありますが、もう一工夫PRが必要と考えます。例えば、石川・金沢ゆかりの東京・関東・中部・関西などの料理屋さんなどで食談の会場として同時期に開催し、金沢の食文化を発信すべきと考えますが、御答弁をいただきたいと思います。 ところで市長、韓国全州市との姉妹都市提携を発表されましたが、全州市はビビンバ発祥の地として食の都と言われております。しからば、金沢の代表的な食といえば何でしょうか。確かに甘エビ、ブリ等の魚など、食材は一級品ですが、さて料理はと考えますと、治部煮、かぶらずし等しか浮かびません。食通であります山出市長にぜひ教えていただきたいのであります。 冒頭、北大路魯山人を掲げたのは、食は文化であり、人間形成にも深くかかわってくると思うからです。そういった意味で食の大切さ、人間としてのマナーの基本を教えることができ、学校給食のあり方等々いろいろ示唆されるところであります。親がリストラで職を失い、満足に食べられない人たち、アフガンやアフリカで飢餓に苦しむ人々を見るにつけ、食べられることへの感謝を思わざるを得ません。戦争を体験された市長に食と文化の御高見を賜りたいのであります。 質問の第2は、中心市街地の活性化策について数点お尋ねいたします。 第1は、寺町の寺院群を生かしたまちづくりについてであります。寺院群といえば、金沢では卯辰山山ろくと寺町が代表的なもので、特に寺町から野町にかけて歩いてみますと六十数カ寺以上あり、これは前田藩の宗教政策で、当時の中心地には本願寺系、日蓮宗などは寺町の高台に集められ、いざ合戦のときは敵兵を市街地に入れないため、出城的役割を担っていたと言われております。今の泉野あたりは死刑場があり、怪談話をよく聞かされたものであります。数年前、姉妹都市であります蘇州市のまちを朝5時から人力車に乗り散策したとき、まち並みを見ながら金沢の寺町を思い浮かべたのであります。まちの街路樹は柳の木が生い茂り、寺院と妙にマッチしているところが印象的でありました。寺町サミットも開催されるようでありますが、寺町大通りに柳の木の街路樹を配置し、蘇州通りと命名できないものか、世界都市戦略の一環としてぜひ研究していただきたいのであります。 第2は、香林坊―武蔵間の賑わい回廊についてであります。ハイカラな商業空間、にぎやかなイベントの開催、芸術・憩いの空間等の創出により、都心の活性化を図る形成調査が始まりますが、市長の思いはどこにあるのか、まず伺っておきたいのであります。 私は国道 157号の大通りは当然として、尾山神社前から近江町市場に抜ける裏通りのにぎわい創出がかぎであると思っています。特に神社階段の両脇は、昔若いころ、執行部の方々も通われたであろう懐かしい飲食街で、大変ににぎわった空間でありました。時代が変わり、今は二、三軒、細々とした灯がついているのみであります。まさにゴースト化した状態となっています。ここをどうするかがポイントであろうと思うのです。例えば近代的な金沢らしい屋台村、金沢の陶芸家による陶芸祭り、大道芸大会、伝統工芸祭り、金沢食菜祭り、姉妹都市祭り等々、さまざまなイベント空間の会場としてにぎわい回廊の創出を図るべきと考えますが、御答弁をお願いいたします。 第3は、金沢ふらっとバスについてであります。先日おすし屋さんで鏡花の道のマンションに住む御夫婦と話す機会がありました。転勤の最後を金沢で迎え、金沢の魅力に取りつかれ、とうとう定年後は金沢に住むと決心をしてマンションを購入したそうであります。うれしい話であります。近江町市場へ買い物に行く奥さんは、ふらっとバス材木ルートの14年導入を心から喜ぶとともに、期待を寄せていました。これまでの実績を見ますと平成13年9月18日現在で、此花ルートが開始 905日で57万 2,596人、菊川ルートは開始 542日目で42万 7,908人と、合わせ 100万人を突破したわけで、経費を見ますと平成12年度で金沢市負担額は此花・菊川ルート合計で2,539万 5,000円と、公共の福祉として市民に還元すると考えれば、大変に評価できるものであります。私は8ルート2億円ぐらいまでは許容範囲ととらえています。長町ルート、東山ルート、寺町・泉野・増泉・中村町ルート、小立野ルートなどを急ぐべきと考えますが、市長のお考えをお聞きしたいと思います。 さて、新交通システムの導入についてですが、市長は確か昨年、姉妹都市のナンシー市に導入されたLRTを見に行かれたはずですが、そのときの感想をお聞きしていません。ぜひお伺いしたいと思います。 また本年度、新県庁の完成に間に合わせるため、シティーライナー--都市軸シャトルバスの運行実験を実施するようですが、その概要と、県はこれでよしとし新交通システムの熱は冷めていると聞くのですが、この点もあわせお伺いいたします。 質問の第3は、湯涌温泉地域活性化策について関連してお伺いいたします。 第1は、金沢の奥座敷と言われる湯涌温泉は、夢二館や、総湯の整備とともに氷室祭りなど、新しい独特の雰囲気ができつつあるようです。市長が言われるこの地域は、静かな休息地とすることが基本との考えは私も同感でありますが、これだけ大規模な整備が続けばそうは言っておれないとの気持ちもあります。先日総湯へ金沢のまちから、週末に必ず行くという若い御夫婦が、こんなところに住んでみたいと言っておりました。 さて、この春に開園する湯涌みどりの里は、当地の豊かな農村資源と自然環境を活用し、地元農家が生産した農産物や加工品の直売により、農業生産の振興を図るとともに、市民農園や果樹園での農業体験を初め、交流施設でのそば打ち体験、農産加工品の手づくり体験のほか、地元主催による青空市などを通じて都市と農村の交流を推進し、地域農業の振興と活性化を図るとして、約 3.3ヘクタールを整備するものであります。そこでまず、市民ふれあい農園は約 100区画で1区画30平米 5,000円として募集が開始されました。果たして埋まるのか、現況をまずお伺いいたします。 また、湯涌文化村は平成15年秋にオープンとして目下整備中でありますが、その概要の中に、創作活動として市民が染め・織り・版画の創作活動に励む場として創作体験講座を開講し、学生、生徒、児童等に製作設備を開放するとして期待されているものであります。特に小学生・児童が多く参加すればと願っている次第であります。将来その中から日本を代表する大作家が生まれるかもしれません。具体的にはどのように運営していくのか、交通対策も含めお伺いいたします。 また、江戸村はみどりの里隣接地に移転整備をするため、本年度より用地造成に着手し、平成18年開村を目指すことになっています。さて、先の話になりますが、移転した江戸村跡地はどうなるのでしょうか。あそこには途中荒れ果てた旧白雲楼ホテルがありますが、これは別として、江戸村の跡地は植林して山に戻すのか、植物園などとして整備するのか、あるいは冒頭申し上げましたように、小規模な50区画規模の新住宅団地として再生されるか、市長のお考えをお聞きしたいと思います。 最近、温泉療法が注目を浴びています。湯涌温泉のお湯は何に効果があるのか、一度医学的に調べてみるおつもりはありませんか。湯涌温泉には長期に滞在する湯治場がありません。私は温泉療法を取り入れた市立病院別館を研究していただきたいと思うのであります。あわせお答えください。 最後に、県の水道供給事業についてお尋ねいたします。 本予算案を見ますと、厳しい財政状況の中、不景気にあえぐ市民の負担を抑えるべく、保険料、水道・ガス料金など、公共料金を据え置きとしたことは市当局の賢明な判断と評価するものであります。そこで石川県の水道用水供給事業の平成18年度までの中期収支見通しを見ますと、給水収益については責任水量制をとっているため、有収水量にほとんど変化がなく、また単価も据え置きと仮定しているため、収益はほぼ一定となっております。一方、費用のうち原水、浄水及び送水管費については、減価償却費の増加に伴い平成16年度がピークで、以降は減価償却費の減少に伴って減少していくとなっています。さらに企業債利息は企業債残高の減少に伴い、平成12年度以降減少の一途をたどっています。このため、費用が17年度以降大きく減少するので、17年度から単年度黒字が発生し、平成18年度から累積黒字に転換すると見込まれております。平成12年度末で県の企業債残高は 607億円とはいえ、確実に減少していくことは間違いありません。 県水受水を主目的とする第5次拡張事業は昭和51年度から着手され、今後は四十万配水本管の押野地区での延長 260メートル、駅西本町地区での 600メートルを残すのみとなり、平成15年に完成の予定となっております。 しかし、今後の第5次拡張事業に基づく設備投資を考えた場合、計画1日最大配水量が36万トンであるのに対し、この実績は平成元年からでは平均約21.4万トンで、最大でも22.2万トンに過ぎません。こうした需要動向から設備投資計画について、当然見直すべきと考えますが、御答弁願います。 また、平成17年度まで現行の受水量で凍結され、18年度以降増量となっています。県水受水協定の見直しが平成14年度と聞いていますが、今後県との積極的な協議を重ね、市民の負担軽減に努力すべきと思いますが、お考えをお聞きします。 ちなみに現在の受水費、1立方メートル 134円が10円下方修正した場合、本市の水道会計の負担軽減はどのくらいになるのか、企業局長にあわせ答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(沢飯英樹君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 33番南部議員にお答えをいたします。 まず、美術館にかける思いを聞かせてほしいということでありました。私は金沢というまちは藩制期以来文化を大切にしてきまして、この文化と産業が連環し合ったまちだと、きょうまで思っています。学術と文化が経済に刺激を与えて、そして付加価値を高める。高められた付加価値が経済をさらに発展させて、発展をした経済が学術と文化を支える。学術と文化と片や産業というものが連環し合ってこのまちをつくってきたと、私はそういう思いがあります。 そういう思いに立ちますと、今金沢の文化とか経済を考える場合に、やはり新しい試みが必要な、大切な時期だと、こういう思いがありまして、その思いを少しでもかなえるということになれば、美術館の役割は大きいと、こう思っておる次第でございます。美術館をつくることについて、今お触れになりましたような御意見のあることは、私も十分承知をしています。しかし、この美術館の計画は6年間詰めてまいりました。必要な事業財源を積み立ててもきました。私は今大切な時期にあり、これを実施することが経済の活性化、雇用の確保にもつながりはしないかという思いがありまして、実現をさせていきたい、こう思っていることを申し上げる次第でございます。同時に今、まちなかは都心の空洞化という大きいテーマがございます。にぎわい再生にも資するはずだという思いがありまして、ぜひ各位の御理解をいただきたい、このように思っておる次第でございます。 文化芸術振興等のために税の控除ができないかというお尋ねでありました。寄附金控除という仕組みがありますが、これは税法の規定によりまして県あるいは市、赤十字社、あるいは共同募金会への寄附の場合、また法人にありましては優遇税制が認められる法人への寄附に限り認められておりまして、したがってそれ以外の寄附につきましては、独自の税控除は税法定主義の建前からいたしまして難しいと、こうお答えするしかありません。 そこで、税の控除ができないとしたら基金をつくったらどうかというふうな御意見でありました。金沢市では伝統産業や伝統工芸の後継者育成に、技と芸の人づくり基金というものをつくってございます。また、一部篤志家の方々からの寄附を受けて、基金を設けまして、芸術の振興を図っておるところでございます。御提案のような基金の創設ということにつきましては、これから文化芸術振興プランなるものを策定するつもりでございまして、その中でひとつ研究課題にしたいと、こう思っております。 寄附した方々へ市として恩典が必要だという御意見でございました。振興を図るためにも十分な配慮をしていきたいというふうに思います。なお、新しい美術館におきましては、支援していただく友の会等の組織を検討中と、こう申し上げたいと思います。 アメリカの税制度について話をするようにということでありました。パブリックチャリティー制度という寄附税制がございまして、約70万団体が寄附控除対象団体になっているとのことであります。所得控除率も日本の2倍というふうにお聞きをいたします。こうしたことを参考にいたしまして、国において税制上の緩和措置を検討されておるというふうにも聞いておりまして、今後の推移に関心を寄せていきたいと、このように思っております。 市長の文化芸術論を伺いたいということでございますが、私は音符は読めません。美術はわかりません。五木寛之先生とか、岩城宏之先生とかお話をすることが個人的にもあります。しかし、肩の凝ることでございます。自分がそうでありますだけに、私は行政にとって現状、文化は未開の分野だろうという思いも一部ありまして、それであるだけに専門の職員が欲しいという気持ちを持っています。そして、それがかなうまでは、やはり専門の方々の御意見を謙虚に受け入れていくべきだというふうに思いますし、できるだけ早く専門の職員をつくっていく、このことの大切さを人一倍思っているつもりでございます。 作家の五木先生とお話をしたときでありますが、先生は、私にこういうことをおっしゃいました。戦後50年、日本の社会は渇き切ってしまった。日本人の心に湿り気がなくなったというお話をされたことを思い出しています。渇き切った人々の心に感動と潤いを与えてくれるのが、私は文化ではなかろうか、芸術ではなかろうか、このように思っています。芸術・文化は大切にしなければならないことは仰せのとおりだと思いますし、私の責任は自然や歴史を大切にして、文化や芸術が映えるまちをつくっていく、このことが私の責任であろうと、このようにも思っています。最近、金沢から直木賞作家が生まれました。こんなうれしいことはありません。そのお人の生まれた、育ったところが浅野川のほとりであったということも、よくお互いにかみしめたい、このように思う次第でございます。 出発したばかりの国の文化芸術振興策はどうあるべきと思うかというお尋ねでありました。昨年11月に文化芸術振興基本法ができました。画期的なことだと思っています。これからいろんな政策の総合的な展開が図られまして、そして心豊かな国民生活、活力のある社会が実現されていくことを願っております。 そこで、市として戦略会議の提言を受けて、これから文化芸術振興をどのように具現化していくのかというお尋ねがございました。提言にありますように、受け継がれてきた多彩な、そして豊かな文化資産を活用しまして、さらに固有の文化を磨いて高めていきたいと思っています。同時に、私は伝統に甘んじてはいけないと、伝統に甘んじたらそれは伝統ではなくして伝承であろうと思っています。伝統の上に新たな創造を加えることが大切でございますし、進んで異質なものも認めていく、その寛容さも欠かしてはいけない。そして、伝統に革新の営みを絶えず続けていく、このことを通じて金沢の文化の発展があるんだと、こう思っておる次第でございます。文化芸術振興プランをつくるということになってございますが、文化芸術活動の支援策というものを体系化して、そして一層振興が図られるように考えていきたい、こう思っています。 茶室のことについて幾つかお触れでございました。お茶の盛んなところでございまして、日本の中では金沢と京都と松江かなというふうに思っております。今、いろんなお茶室をまちなかに整備をさせていただいていますが、お茶室の数ということになりますと、恐らく京都と金沢は筆頭だろうというふうに思います。金沢のお茶の文化というものは広く市民に浸透しておるというふうに思っておりまして、奥が深うございます。大事にしていきたいと思います。 美術館の予定地に移設される2つの茶室をどう使うのかというお尋ねでございましたが、私は美術館にはお客様がたくさん見えるはずだと。世界からのお客様もいらっしゃるはずだと思っていまして、こしたお客様にお茶を差し上げると、そのことにまず使いたい、そんな気持ちを持っています。同時に、煎茶から抹茶に至りますまで広くお茶を愛好する市民の方々の利用に供したいというふうに思いますし、近くに時雨亭がありますし、中村記念美術館の梅庵とか耕雲庵とかというお茶室もございますし、松風閣というお茶室もありますし、そうした一連のお茶室と合わせますと、大きい会が開かれるはずだと思っておりまして、日本のお茶会は金沢でできる、そう思っています。これからこういうあり方をみんなで研究していきたいと思いますし、美術館の中でのお茶室のありようにつきましては、これから専門の方々で懇話会をつくりまして研究したいと、こう思っています。 そこで、松涛庵の由来についてお尋ねになりました。松涛庵、松と「涛」はさんずい辺に寿であります。13代藩主の斉泰公が隠居所として江戸の根岸に建てたのが最初の始まりだそうでございまして、その後、この建物が鎌倉に移されまして、その鎌倉にあったものを昭和54年に浅野川のほとりに移設をしてきて、そしてこのほど市が譲り受けたものであります。前田のお殿様もお使いになりましたし、元総理の佐藤さん御夫妻もお使いになったとお聞きをしています。名前は16代の利為公が名づけられたと聞いておりますが、由来は定かでありません。ただ、松という字がありますから、鎌倉の松風を、松の音を連想しますし、さんずい辺に寿「涛」という字は、私は湘南の海の波の音を連想したいと、こう思っています。お茶の心は大変難しいし、私もわかりません。しかし、お茶は本来自我に執着することから離れまして、物事の本当の真の姿を求めること、このように理解をしています。お互いに大事にしたいと思います。 加賀宝生子ども塾の内容をお尋ねになりました。本市の指定無形文化財でございます。後継者の育成につなげる趣旨で4月から開講したいと、こう思っています。小学校と中学校の生徒さんを対象にしまして、2年間で指導することにしていまして、当地の一流の指導者というふうに考えています。初めて子供さん向けの謡本をつくりまして、これでもって教えるわけでございまして、1期生は50人、練習した成果はしかるべき機会に発表させておあげするということがいいと思っています。 子供の文化活動を充実するようにということでございました。小さいときから本物の美術・芸術作品に触れたり、芸術家と交流することは子供さんの芸術への関心を喚起して、感性を磨き高める上で大切だと思っています。美術館につきましては、子供たちにも親しまれる美術館になるように、学芸員と先生との交流、あるいは企画展等ソフト面にも配慮しまして、学校教育との連携を強めていきたいと、このように思っております。 ネーミングにお触れでございました。まだ仮称でございますが、これまでいろいろな方々から御意見をいただきました。1つには21世紀にできる美術館であること、2つには多様化する表現とともに、時代を歩む美術館であること、3つには芸術交流機能等を備えた参画・交流型の新しいタイプの美術館であること、そんなこと等を踏まえまして21世紀美術館としたものでございます。 次に、食と文化についてお触れでございました。魯山人にお触れでございました。私は魯山人は知りませんけれども、えり好みのあるお人のように僕としては感じておるところでございます。その魯山人に関連して食談の会場でありますが、東京でもやったらどうかというお話でございました。フードピアというのは何よりも観光の閑散期である冬、雪の期間、そのときに誘客をねらって、そしてこの食の味覚を発信の媒体として開催するというのが趣旨でありまして、そういうことでありますことをひとつ理解していただいて、このこととは別に東京等での開催のことについては御提案として実行委員会に伝えておきたいと、こう思っています。 代表的な食として市長、君は何を上げるかというお尋ねでありました。代表的な料理ということになれば治部煮もいいなと思いますし、季節ということになればやはり自分の好みですけど、カニとエビかなと思いまして、生活風習に根差すという視点からいえば、私はタイの唐蒸し、えびす、こういうものを上げておきたいなと思います。しかし、私はこんなことよりも、むしろやはりじわもんが好きであります。大根の煮つけ、ブリ大根、そして一杯、これが私は一番というふうに思いますし、こういうものがなくなっていく現状を大変寂しく思っています。飽食の時代と言われて久しいものがございます。インスタントやファーストフードがはんらんをいたしております。食材の大切さとか家庭の味のよさがだんだんなくなっていく、寂しいことだと思っております。家庭や地域ならではの料理をもう一度見直して、そして食を通じて家族が団らんをする、そんな中から子供のしつけもできてくる。食は命のもとという言葉を謙虚に考えたい、このように思う次第でございます。 中心市街地活性化施策に関連をしまして、寺町通りについて柳を植えて蘇州通りにしたらどうかということでございますが、柳は水辺を好む樹木であります。そういたしますと、寺町台というのはどうかなというふうに思っています。ただ、緑は大事でございますので、植えたらいいと思います。道路管理者である県に申し入れたいと、このように思っておりますし、蘇州通りは一つの御提案と踏まえたいと思います。 都心の賑わい回廊についてでございますが、国道157号が拡幅できまして、そして香林坊と武蔵の2大商業地をつなぐ都心軸のかなめとして完成をしたわけであります。私は都市のステータスを高めて、北陸の広域商業業務地としてのイメージをつくりたいという思いを持ちまして、調査に取り組むものでございます。あるべき姿、形成の方策を地域の皆さんと一緒になってつくり上げてまいりたいと、このように思います。 尾山商店街の整備のことをお触れでございました。かつてにぎわったところでございます。寂れてきました。観光名所でもございますので、手だてを講ずることが必要と思っております。一部で用地を取得しておりまして、さらに取得を進めながら今後整備のあり方について検討していきたいと、こう思っています。 ふらっとバスのことにお触れでございました。平成9年度に導入検討委員会で提言をいただきまして、此花、菊川、材木の3つのルートで整備を進めてきているものであります。15年の3月には材木ルートを運行したいと考えています。その他のルートは今考えていません。今後はふらっとバスの相互間、また路線バスとの乗り継ぎ利便を高めていくことが課題と思っておりまして、材木ルートでは此花ルートとの接続、路線バスとの乗り継ぎ、これを考慮したバス停の位置、こういうことを検討しているところでございます。 次に、新交通システムについてお尋ねでございまして、ナンシー市のLRTを市長は見に行っているはずだが、感想をお聞きしたいということでありました。あいにくLTT--低床型タイヤ式電車でございますが、これについては技術的な問題等で運休しておりました。見ることはできませんでした。ゲントではトラムを導入しまして、またストラスブールではLRTを導入されて、いずれも都心の再生が図られておるところでございます。本市にありましても新交通システムの導入は必要と考えております。 そこで、シティーライナーの運行実験でございますが、新県庁舎移転時にあわせまして、来年1月から3月までの3カ月間、北鉄石川線の野町駅から都心軸を通って新県庁舎へのシャトルバスの運行をやろうとするものでございます。詳細について、今後県警や交通事業者等関係機関と協議していきたいと思っています。今後とも県・市が協力し合いまして、こうした実験を重ねながら新しい交通システムの導入に向けて取り組みを行っていきたいと思っております。県も市同様、手順を考えているということを申し上げたいと存じます。 次に、湯涌温泉の活性化策につきまして、みどりの里の市民ふれあい農園は埋まるのかというお尋ねでありました。いろいろとPRをし、募集をしておるところでございます。電話や窓口での問い合わせが多数寄せられておりまして、十分埋まると思っております。 また、現江戸村の跡地利用、また湯涌文化村のことをお尋ねでございましたが、お湯のことは所管の部長からお答えをいたします。文化村については染め・織り・版画の工房を研修の場として整備をしまして、小学校、中学校の生徒さんを対象とした創作体験講座、宿泊体験を取り入れることにしています。路線バスの乗り入れ等交通手段のあり方についても検討していきたいと思っています。 また、現江戸村の跡地につきましては、江戸村に関連する施設といたしまして、御提案のことを含めて利活用を検討していきたいと、このように思っております。 以上であります。 ○副議長(沢飯英樹君) 近藤経済部長。   〔経済部長近藤義昭君登壇〕 ◎経済部長(近藤義昭君) 湯涌温泉のお湯の効果についてでございますけれど、平成11年に総湯白鷺の湯を建設しましたときの調査結果によりますと、浴用では神経痛、切り傷、冷え性に、飲用では慢性消化器病に効用があるとされております。 以上でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 小泉公営企業管理者。   〔公営企業管理者小泉賢一君登壇〕 ◎公営企業管理者(小泉賢一君) 県の水道供給事業について、幾つかお尋ねでございました。需要動向から設備投資計画を見直すべきではないかという件についてであります。 近年の需要低迷を踏まえて、第5次拡張事業で計画した設備投資については当然廃止ないしは凍結を考慮しながら事業を進めているところであります。なお、現在設備投資の中心は山間地の上水道整備、地震対策を兼ねた老朽管、老朽設備の更新が主な事業であります。 次に、県水受水協定の見直しにより市民の負担軽減に努力すべきでないかというお尋ねでございます。県当局に対しましては、受水市町による合同陳情、あるいは市長会、議長会等機会あるごとに受水単価の引き下げ、受水量の下方修正を要望いたしております。これにより、平成18年度以降の県水の増量計画については、現行水量で当面据え置きを検討しているとの回答を得ております。今後引き続き単価の引き下げ等についても粘り強く要望を重ね、市民の負担軽減を図っていきたいというふうに考えております。 次に、受水費が10円の下方修正となった場合、水道会計の負担軽減はいかほどかというお尋ねでございます。現行の県水受水量は年間約 3,040万立米となっております。受水単価が10円下方修正となれば、年間約3億 400万円の負担軽減となります。 以上でございます。 ○副議長(沢飯英樹君) 山形市立病院事務局長。   〔市立病院事務局長心得山形紘一君登壇〕 ◎市立病院事務局長心得(山形紘一君) 湯涌温泉地域の活性化策といたしまして、温泉療法を取り入れた市立病院別館を研究してはどうかというお尋ねでございました。金沢は病院等の病床数が基準を大幅に上回っており、いわゆる病床過剰地域でございます。こうした地域での公的医療機関の新たな開設等を制限する医療法の規定もありまして、市立の病院を増設することは大変難しいと考えております。 以上でございます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △休憩 ○副議長(沢飯英樹君) この際、暫時休憩いたします。              午後3時0分 休憩-----------------------              午後3時32分 再開 △再開 ○議長(川紘一君) 出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 これより休憩前に引き続き会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △質疑・一般質問(続き) ○議長(川紘一君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 11番近松美喜子君。   〔11番近松美喜子君登壇〕(拍手) ◆11番(近松美喜子君) 私は、日本共産党金沢市議員団を代表いたしまして、市長並びに関係者に質問をいたします。 質問の第1は、新年度予算と市長の政治姿勢についてであります。 国政では、我が党が明らかにした「ムネオハウス」に象徴される古い自民党の利権政治に、国民の批判が集中しています。一部のNGOの国際会議参加排除から始まって、次々に明らかになる鈴木宗男自民党衆議院議員による外交私物化や、外務省腐敗の事実に怒りが広がっています。同時に、古い自民党政治を変えると言って誕生した小泉総理が、道理ある対応した前外相を更迭し、真相にふたをしようとしたことに失望と怒りが広がっております。さらに、特殊法人の改革も国民が期待したのは、高級官僚の天下りの禁止や特殊法人とそのファミリー企業や民間企業、政治家との癒着の是正でした。しかし、天下りや談合、浪費とむだなど、政・官・業の癒着にメスを入れることは先送りしながら、国民にとって必要な住宅金融公庫や奨学金制度の縮小、高齢者のマル優廃止などを進めるというもので、市民の住宅や教育、老後の生活に深刻な影響をもたらすと考えますが、市長はどのように認識されておられますか。 さらに、離婚や死別などによる母子家庭に対して支給されていた児童扶養手当の削減は母子家庭の置かれた社会状況の中で一層厳しいものになります。市民の影響を考え、国に削減中止を求めると同時に、市独自の対応をとるべきではないでしょうか。 さて、痛みの中でも最も激痛なのは、医療保険制度の改悪であります。老人医療の対象年齢の引き上げ、窓口負担増と償還払いの導入、保険料の引き上げなど、2002年度の社会保障関係予算の自然増となる 5,500億円を 2,700億円にとどめるために、医療保険制度の改悪で、保険による給付を大幅に圧縮し、国民に負担を押しつけようとするもので、 2,800億円の国庫負担の圧縮は、国民医療費ベースではその約4倍の約1兆 1,000億円もの影響を受けるだろうと言われています。市長は、市民の命と健康を脅かす医療制度改悪の中止を強く国に求めるべきと考えますが、決意を伺います。 新年度の政府予算では、戦後経験したことのない不況に苦しむ国民にとっては、何といっても景気回復、雇用の安定策が求められました。しかし、その中身は、不況に苦しむ国民に相変わらず激痛を押しつける一方で、大型公共事業のむだを温存するものとなっています。許せないのは、ゼネコンのための大型公共事業への国民の批判にこたえるように、緊縮財政を装いながら、公共事業を削減したかのように見せて、実際は公共事業費を増額しているということであります。2001年度の第1次補正予算で、当初予算に盛り込んだ公共事業の予算予備費 3,000億円を全額削減し、新年度予算でも公共事業関係費を1兆円以上削減し、公共事業費の削減に努めているかのように見せかけ、実態は、新年度予算と同時に決定した2001年度の第2次補正予算で、昨年の約2倍の 2.5兆円もの上積みを決めたことです。このような財政投資が景気の刺激にならないことはもう既に試され済みで、改めるべきであります。財源配分を思い切って福祉や教育の充実、雇用対策などに切りかえるべきと考えますが、市長の見解を伺います。 さて、本市の新年度予算でありますが、その規模は前年度に比べ、一般会計で 1,681億 6,000万円、実質 0.9%減、全会計では 3,567億 4,303万 8,000円、実質 1.6%減となりました。新年度予算が、不況下の中に苦しむ厳しい市民生活を守る対策とならなければなりません。昨年暮れの石川銀行、相次ぐ県内の信金・信組の破綻は不良債権の処理への対応として、引当金の積み増しを金融庁に迫られ、追い込まれた結果であることは明らかです。地域の中小企業への融資を担っていたこれらの金融機関の破綻は、ただでさえ不況で資金繰りに苦しんでいる中小企業が、運転資金など日常的な借り入れができないばかりか、赤字経営や返済の一時的な滞りを理由に、整理回収機構に回され、強引な回収の対象にされ、倒産の危機にさらされているということです。 市長は、景気の低迷よる市民の市税の落ち込み、国庫補助金の削減、公債費の増加など、かつてない厳しい予算編成を余儀なくされながらも、地域経済の安定と雇用の確保、市民の暮らしの維持向上を最優先に「まちを元気に くらしを豊かに あすの金沢をひらく重点予算」と言われました。市債を抑制し、基金の取り崩しや財源の選別、計画的配分に心を砕いたとされました。しかし、基金の取り崩しは、駅前のガラスドームの屋根の建設に、債務負担は駅武蔵北地区や金沢駅周辺整備の都心整備事業や金沢テクノパークなど、見直しが求められている事業につぎ込まれようとしています。これでは従来の延長線上であって、景気回復や将来不安の解消など、市民が求める対策とはなり得ません。 サラリーマンの医療費3割負担や高齢者医療費の改悪など、膨らむ将来不安にこたえるべきではありませんか。このようなときだからこそ、思い切った予算の転換が必要です。所信表明で市長みずからが、積年の景気対策に伴う公債費の増加と言われるように、14年度の公債費は 226億 8,427万 3,000円となり、歳出全体の13.5%を占めています。このことは、政府主導の大型開発中心の経済政策の失政が、地方自治体を出口の見えない袋小路に追い込んでいるということを認め、ここから脱出を図るべきであることを示しています。そのためには、従来型の対策ではなく、大型公共事業中心から、市民の暮らしや求められている介護や医療など、福祉の充実に思い切って切りかえることであると考えますが、見解を伺います。 次に、公共料金の引き下げについて伺います。景気回復の決め手は、経済の6割を占める個人消費を活発にすることであります。このことは政府も、GDPが低い伸びにとどまり、回復が弱かった要因の一つが、消費の低迷であると認めています。家計調査によれば、勤労者世帯の月平均の実収入や全世帯の消費支出が、長引く不況は市民生活に深刻な影響をもたらしていることは、私が申し上げるまでもありません。リストラによって労働者の所得が減り、そのために民間の消費が冷え込んで、物やサービスが売れなくなる。企業は何とか売れ行きを伸ばそうとして値下げに踏み切り、物価が下がります。このことで、売り上げが下がった企業は何とかもうけを出そうとリストラを一層進める。ますます景気が落ち込む、まさにデフレスパイラルであります。 今日、市民生活は公共料金の滞納、学校給食費が払えない、生活保護認定や就学奨励金の増額など、事態は極めて深刻になっております。新年度予算では市民負担軽減として、すべての公共料金が据え置かれました。しかし、市民生活の実感は、高い水道料金や国保料金などの引き下げを求めています。先般、社会の要請にこたえるとして、電気料金の引き下げなどが相次いで表明されました。富山や福井と比べて 1.5倍もする水道料金は、紛れもなく県政の失政でありますが、同時に安くておいしい自己水を捨ててまで、5倍も高い県水を受け入れて、市民に高い水道料金を負わせてきた市の責任は重大です。 今年度予算では1億 9,800万円の利益が見込まれ、12年度決算でも水道会計は約2億 4,000万円の経常利益となり、13年度も黒字決算が見込まれており、決算上からも料金引き下げは可能であります。水道料金を引き下げて、市民生活を応援するべきであります。市長の明快な答弁を求めます。 質問の第2は、地域経済の活性化についてであります。 求められている対策の柱は、中小企業の支援と雇用対策であると思います。市長は明年度に宅盤造成工事がほとんど終わる金沢テクノパークを初め、企業誘致促進に力を込められました。テクノパーク内公園造成を初め、新規工業団地造成として、河原市地区工業団地計画は平成16年分譲開始を目指して、分譲面積 8.4ヘクタール、福増・中屋地区工業団地は分譲面積約11ヘクタール、蚊爪地区は 4.6ヘクタールと、いずれも平成17年度分譲開始を目指して、整備を進める予算が計上されました。 企業の進出は雇用の確保を初め、地域経済の活性化にとって重要な問題であります。しかし、景気の低迷は企業の新たな設備投資、事業展開に大きな影響を及ぼしています。バブルの最中に検討が始まった金沢テクノパークは、山林を切り開き、幹線道路や公共下水道を整備し、工業用水も確保するなど造成を進めてきました。本市では、県と合わせて1社に最大で26億円の助成や10億円の優遇融資を定めた企業立地促進条例を制定し、澁谷工業など3社に対して、これまで9億円が助成されています。しかし、2005年の横河電機で4社、今後の企業参入見込みの半分であります。進出の見通しはなく、現状では半分以上が売れ残ってしまいます。これまで同パークへの企業誘致で、本市が手にする土地売却費は、予定の約半分の52億円、巨費を投じた事業であり、地域経済への還元効果が当然期待されていますが、地元雇用状況なども含めた検証がなされ、今後の事業展開に生かされるべきであります。 市長は、さきの議会で、金沢テクノパークの企業誘致が進まないことから、今後の工業団地造成は進出企業を把握してからとされていました。これから造成を進める3つの工業団地の進出企業は把握されていますか。具体的な見通しをどのようにお持ちか、伺っておきます。 先日、三善工業の倒産が報じられました。新たな工業団地を造成する一方で、地元企業の灯が消えていくのをどのように受けとめておられますか。金沢の経済活性化のために求められていることは、これまで本市経済を支えてきた地元地場産業の育成であり、不況の中で倒産、廃業に追い込まれている、これら地元産業にこそ、思い切った支援策が求められています。中小企業振興条例をつくり、地元企業を支援する中小企業センターの設置などを図り、地元企業、地場産業、人材の育成が求められます。具体策を伺います。 次に、雇用対策についてです。デフレスパイラルに陥っていると言われる中で、雇用情勢はますます深刻さを増しています。新年度緊急地域雇用で 360人、高校生雇用枠の確保などが盛り込まれましたが、いずれも臨時的対応であります。恒常的対策が今、求められております。市民要望につながる30人学級や福祉施設の建設で、教育や福祉の場に思い切った雇用確保と雇用奨励金の対象拡大を図るなど、働く場所の提供を広げ、働ける人には働いていただく、このことが経済活性化への道であると考えますが、いかがでしょうか。この点から見れば、新年度の本市の21名の定数削減は、市みずからが雇用の場を狭め、地域経済の活性化と逆行する対応となり、進めるべきではありません。 質問の第3は、子育て支援のための乳幼児の医療費助成制度についてであります。 乳幼児医療費助成制度は、子育て支援の有効な対策の一つとして、市民からの要望も厚く、本議場でも何度も議論をされてきたところです。全国的に見て最低水準であった県も、市民世論に押される形で、ようやくにして制度拡充を打ち出しました。しかし、所得制限など、市民の願いからして許されない内容が示されています。同時に残念なのは、本市の対応であります。県の実施がことしの10月からで、その内容が定まっていないということで、新年度予算に制度改善が盛り込まれなかったことです。昨年の七尾市に次いで、新年度からは松任など県内の市段階でも、対象を就学前まで拡大する方向が打ち出されている中で、このような対応は許されません。これでは、県制度の枠を越えても市民の願いにこたえるという姿勢に欠けていると言わざるを得ません。1,000円の一部負担や窓口負担の解消、入院、通院とも小学校に上がるまで無料とし、所得制限などしないよう、県に強く求めると同時に、本市独自で実施する予算を確保するべきであります。市長の決意を伺います。 質問の第4は、商業環境形成指針とまちづくりについてです。 まちづくりと一体となって良好な商業環境を形成するとして「金沢市における良好な商業環境の形成によるまちづくりの推進に関する条例」を制定し、4月1日の施行を目前にしています。しかしここに来て、東京インテリアを初め、大型店の相次ぐ出店計画や、変更届が提出され、失望感も広がっております。これまでの出店計画や届け出の状況などを明らかにしていただきたいと思います。 これらの状況は、駅西ゾーンの店舗面積上限拡大や拠点ゾーンを 5,000平米出店可能としたことが、新たな大型店の呼び込みになりかねないと、我が党が指摘したことが、そのとおりにあらわれてきたではありませんか。店舗面積の上限をみずから拡大しておいて、どのような意見を付しても効き目がなく、後追いと言わざるを得ません。これではますます商業の広範な展開を許し、中心市街地の空洞化が進みます。さらに、東京インテリアに関しては、今日の変更届は当初から予想されていたことであります。地元家具組合などの陳情が繰り返されていたにもかかわらず、行政が地元小売業を守るために、とり得る手だてを尽くしたかが問われております。 良好な商業環境の形成を図るために、金沢市商業環境形成指針が目標とした地域の既存商店街と、大型店の共存などを進めるためにも、まちづくり条例施行を目前にしてではありますが、駅西ゾーンについては2万平米としたものを当初の1万平米に戻すとともに、地域拠点形成ゾーンは上限 3,000平米に変更するべきと考えます。まちと地元商店街を守る決意を伺っておきます。 質問の第5は、市町村合併についてであります。 国による合併押しつけが一段と強まっている中、県による合併パターンに沿って、県内でも合併協議会の立ち上げがされるなど、合併特例法の期限が定められ、まるで追い立てられるかのように合併の議論が進められようとしています。我が党は、自治体の逆立ち政治を一層強くする市町村合併の押しつけには反対であります。合併問題は、あくまで双方の住民の意思を尊重して決めるべきという立場であります。 この点からすると、第1に、今回の野々市との合併は相手方が明確に拒否をしていること。第2に、国が準備している特例措置に乗って進める先には、住民サービス切り捨てで大型開発優先の路線がはっきりしていること。第3には、国から地方への財政支出を大幅に削り、自治体リストラを進め、国の責任を大きく後退させようとするものであり、進めるべきではありません。市長は、野々市町との合併の必要性を語ることに、何ら住民自治を侵すものではないと言われました。近隣自治体がそれぞれのまちづくりのあり方を、広域的な共同のあり方などを議論することは当然であります。しかし合併は、それぞれの自治体の自治権にかかわることであり、野々市が反対の態度を明確にしているのに必要を説くのは、大都市の思い上がりだとは思いませんか。さらに、合併を選択していくのは住民自身という点からすれば、住民の立場で明らかにすべき幾つかのことについて伺っておきたいと思います。 住民サービスの点で、市長は、住民サービス、福祉の向上に資すると言われました。さきの議会でも指摘したように、乳幼児の医療費助成制度など、住民の要望にこたえて充実させているのは、川北町や河内村など小さな自治体であります。合併を進めてきた全国の例で見ると、実際に合併で住民サービスや福祉、教育の水準がどうなったか。2001年5月1日に旧浦和市人口49万人と、旧大宮市人口約47万人、旧与野市約8万人の3市が合併し、埼玉の人口の7分の1を抱える大都市さいたま市の実態は、市民サービスは低い方に、負担は高い方に調整され、新市が発足して初めて知った住民からは苦情が相次いでいるそうです。合併に向けて行われた旧3市の事務事業のすり合わせは 1,501項目、 3,347件に及び、これらの調整は合併推進協議会の非公式の小委員会によって行われ、合併協議会によって承認されました。敬老祝い金の支給削減や、保育料の引き上げ、がん検診の負担増、個人市民税の均等割の引き上げなど、合併後の初議会で旧3市の水準を超えた事例がどれだけあったかという質問に、行政側は一つの例も示せなかったということであります。 そこで、本市と野々市町を見た場合でも、公共料金などの格差はどのようになるか伺います。平成13年度末で、例えば個人住民税均等割額は、金沢市は2,500円、野々市は 2,000円と25%も違います。基本介護保険料では、金沢は 3,150円、野々市は2,960円と違いがあります。住民の負担は軽く、サービスの水準は今日よりもよくなるのか、明らかにしていただきたいと思います。 デメリットがあるだけに、特別交付税措置が決められています。公共料金の格差調整や、公債費負担の格差是正に、金沢市と野々市の場合、3年間で5億 8,000万円、1年間で1億 9,300万円、住民1人当たり年間わずか 385円です。合併による財源特例は、合併することで、これまで以上の財政基盤とならないことを国が認めていることになりかねません。5年後、10年後、15年後には大幅減額に直面することは避けられないのではないでしょうか。総務省の試算でも、本市と野々市の場合、最も大きい合併特例債は、建設事業に 287億円、振興基金づくりに40億円、大型開発優先のいわゆる箱物事業を呼び込むものであり、これまでの自治体の開発会社化を繰り返すことになると考えます。また、国の支援策自身が、交付税措置をされた借金の20年、30年先の対応まで保障されているわけではないことは、現在、地方交付税削減の議論が進められている中で見えてくることではないでしょうか。以上、見解を伺っておきます。 質問の第6は、行き届いた教育に関してであります。 もうすぐ新学期が始まります。新年度より新しくなった学習指導要領により、学校5日制の完全実施、総合学習、特色ある学校づくり、2学期制の試行など、学校教育の環境は大きく変わろうとしています。27万を超す不登校、いじめや学級崩壊など、子供たちを取り巻く社会状況が急激に変化する中で、今日抱えている問題解決にこたえないで、子供たちと教職員に一層の負担を押しつける新学習指導要領には反対であります。このような中で、これまでの課題が解決するのかお尋ねいたします。 まず、第1は、どの子にとっても学んで楽しい学校生活についてであります。現状は、文部科学省の報告でも、「よくわかる」という子は小学校で約20%、中学校では 4.7%、「学校生活が楽しいか」は小学校で約半数の51.5%、中学校では14.5%となり、子供たちの学校生活への満足感、授業の理解度ともに、学年が上がるにつれて低下していることをあらわしています。また、国際的な調査では、日本はテストの点数はいいけれど、勉強嫌いの多さもトップクラスと言われています。勉強は本来、物事の仕組みがわかっておもしろいものと言われていますが、詰め込み、競争教育の中では、テストの正解を早く出すだけのものとなってしまい、ゆとりの強調が繰り返し行われてきました。 文部科学省は、ゆとりを持って学習できるように授業時間を縮減したと言っています。しかし、全体的な授業時間が減った中で、小学校3年生からの新たな総合的な学習の時間の導入、中学校での選択教科の拡大など、授業時間は一層窮屈になると言われています。例えば3割削減の内容を小学校の算数の場合で考えると、これまでの指導時間を基準にすると、小学校6年間で35時間不足することになります。国語では授業時間が14%削減されても、習う漢字などは 1,006字のままです。その一方で、厳選の名のもとに、子供たちが楽しみにしているスキー教室など大切な事項や、子供たちの知的興味をかき立てるものが削減をされ、一つの理解から、さらに理解を深めるという系統性を欠き、一つ一つ確実にわかり、できる喜びを感じられないままになってしまうと、教師が指摘をしております。子供たちのわかりたいという願いにこたえ、基礎学力をどの子にも保証するための教育体制をどのように進めていくのか、お聞きいたします。 第1は、30人学級の実現と豊かな総合学習とするためにも、学校図書館司書の配置であります。同時に、5日制に対応するために、地域に市立図書館や児童館の整備、学童保育の充実などが求められていますが、計画を示していただきたいと思います。 第2は、子供たちの変化、子供たちを取り巻く社会状況の変化、教育制度の変化の中で、教師の自主的な研修や研究を保障することが求められています。同時に2学期制や少人数授業など、子供や保護者はもちろん、全教職員の十分な議論と合意形成のもとで進められるべきと考えますが、見解を伺います。 質問の第7は、地震対策に関してであります。 政府の地震調査委員会の、金沢近郊で阪神大震災級の地震が起きる可能性は今後30年間で最大5%とした森本-富樫活断層の評価結果は、阪神大震災から7年、危機感が次第に薄らいでいる中で、衝撃が広がりました。最大5%の値は、国内の主要な活断層の中では高い方であると言われ、本市では阪神大震災後、同程度の地震を想定した被害想定のもと、地域防災計画震災編がまとめられ、ガスなどのライフラインの耐震化や、学校を初めとする公共施設の耐震補強が計画的に進められているところであります。今回の公表は、改めて私たちが住む金沢平野が大規模地震と無縁ではないことを示しました。 森本、野町、富樫の3つの活断層からなる同断層は、建物密集地である金沢の中心市街地を通るだけに、万全の対策が求められています。 6,400人を超える阪神大震災の死者の約9割が建物倒壊に起因していたことから見ても、圧死対策の強化が地震防災対策の重要な点であると考えます。住宅の耐震性向上の状況と、避難場所となる公共施設の耐震化の対策が急がれます。 本市として、第1に観測、予知体制の強化。第2に、避難場所となる公共施設の耐震化や、耐震防火貯水槽や、災害道路建設の進捗状況と今後の計画。第3に、地域防災計画の見直しと、市民啓発をどのように進めるのか伺って、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 11番近松議員にお答えをします。 まず、新年度予算に関連をしてでございます。厳しい国家財政のもとであります。医療保険制度の一元化と制度改正は避けられないというふうに思っております。同時に、不況からの脱出、これが緊要の課題だというふうに思います。市といたしましても、公共料金の据え置き、これによる市民生活の維持、福祉、環境、教育の充実、こういうことについて対応していかなければならないと、このように思っています。 大型公共事業をやめたらどうかという御趣旨でございました。私は、金沢のまちを発展させていく上で、都心軸の開発等都市基盤の整備は不可欠だと思っています。駅東広場の整備は、金沢の顔にふさわしく、また玄関口を利用する人たちに優しくするための施策でございます。御理解をいただきたいと思っています。道路でありますとか、下水でありますとか、公園でありますとか、そうした生活に関連する公共事業の推進も、市民生活の向上に大きく寄与するものでございまして、こうした投資は今後も必要と思っております。繰り返し言いますが、市民生活に密着した福祉、環境、教育、こうしたことにかかわる施策については、きめ細かな配慮を加えていくことは当然でございます。 そういう中で、公共料金のことにお触れでございました。これについては、受益者負担の原則に沿った適時適切な改定が必要でございまして、これをしませんと、かえって後年度に急激な負担の増加になるわけであります。今度の予算におきましては、もろもろの事情を考え合わせました上で、すべての公共料金を据え置いたところでございまして、これをさらに引き下げるということについては考えておりません。 経済の活性化に関連をしまして、テクノパークの造成事業のことにお触れでございました。これは、本市の産業構造に厚みをつけて、雇用やさまざまな経済効果をもたらして、まちの活力を生み出すものと思っておりまして、全力を挙げて誘致に努めたい、このように思っています。 計画中の3団地があるわけでありますが、見通しはどうかというお尋ねでありました。昨年度に引き続きまして今年度も、北陸圏域全体を視野に入れまして進出意向調査を行いました。その結果に基づきまして、希望の企業を一つ一つ訪ねまして、立地企業の集約に努めておるところでございます。そうした状況を十分把握しました上で、福増・中屋の地区に続きまして、蚊爪周辺地区に着手したいと、このように思っています。 地元企業の倒産があったと、振興策をどうするのかというお尋ねでありました。こうした倒産については心配をしています。情報収集に努めますとともに、安定所等と連携をとりまして、また会議所、業界団体による面接会の開催とか、一部企業間の雇用連携の試み等を通じまして、地域全体を挙げて最善を尽くすべきと考えています。なすべき産業施策といたしますと、個々の企業がいかに力をつけられるか、これをサポートすることにあると思っております。新しい製品の開発、受注・販路の開拓、IT化の推進等、きめ細かな支援をしてまいりたいと、こう思っています。 雇用の創出のことにお触れでございました。既に実施しております教育並びに福祉部門の事業といたしましては、スクールサポーター活用推進事業、あるいはパソコンを活用しました高齢者、障害者の生きがいづくり事業がございます。これを通じて、いささか雇用の創出に努めておるところでございます。また、新年度におきましても、こうした事業のほかに、小学校の英語活動推進事業を予定しています。事業の採択に当たりましては、御指摘の教育、福祉分野も含めて、住民ニーズの高い事業や行政として、緊急度の高い事業等、幅広く配慮してまいりたいと、このように思っています。 奨励金の拡大を図る等の積極的な雇用対策が必要だという御指摘でありました。地域の実情に即した各種の雇用施策を継続的に進めてきております。現在、特に雇用環境が厳しい中高年齢者を対象にしまして、中高年齢者雇用奨励金制度を設けております。このたび、この制度のもとになりますところの、国の制度が1年延長ということになりましたので、これにあわせまして、市の制度もさらに1年間延伸することにいたしました。さらに、新年度におきましては、中高年の非自発的失業者の就業を支援いたしますために、民間職業紹介所利用助成制度、これを新たに設けまして、中高年齢者対策の充実を図ったところでございます。 雇用対策の面からいって、市職員の削減はいけないという御指摘でございました。民間では、仰せのとおり倒産があり、リストラ等厳しい状況が続いておりますとき、市はひとり傍観してはいけないと思っています。市みずからも効率的な執行体制を堅持すること、これは当然でございまして、業務に見合った適正な人員配置に努めた結果の削減でございます。なお、職員定数の削減に当たりましては、業務の委託化、機械化等、あわせて実施をしております。民間における雇用の創出にもつながっておるという一面を御理解いただきたいと思います。 次に、乳幼児の医療費の助成制度にお触れでございまして、県の制度改正について、市として改善を申し入れ、市の独自の制度充実を図るべきだという御趣旨でございました。この制度は、子育て支援の重要な政策の一環と考えています。本市といたしましては、県の制度改正の時期に合わせまして、制度を拡充する方向で検討したい、こう思っています。なお、県へ制度を改善するように申し入れるということは、今のところ考えておりません。 次に、商業環境形成指針のことにお触れでございました。商業環境形成まちづくり条例制定後の大型店の届け出状況をお尋ねになりまして、これは所管の部長からお答えをいたします。 私からは、東京インテリア家具のことにつきまして、今回の増床計画を市がとめることはできなかったのかという御趣旨でございました。大店立地法の運用を行う行政庁は、法律上は県ということになっています。市は県の要綱に基づく事前協議の段階と、法律に基づく届け出の段階と、この2つの時点で生活環境保持の見地から、県に対して意見を述べる立場にございます。市としての独自指導ができないものということを、ひとつ御理解いただきたいと思います。 次に、区画整理地内で大型店出店が多いけれども、いま一度指針を見直したらどうかというような御趣旨でありました。指針策定に関しましては、足かけ2年をかけました。検討委員会で十分議論を重ねました。広く市民から意見を聞くパブリックコメント手続も踏まえた次第でございまして、今すぐ指針を見直す考えはありません。ただ、検討委員会におきまして、都市計画の変更と状況変化に応じて、定時に検討が必要というふうにされておりまして、将来適切な時期に対応してまいりたい、こう思っています。 市町村合併について幾つかお尋ねでありました。野々市との合併はまだ機が熟していないという御趣旨でございました。既に双方の間には、住民の生活圏、まちが一体化しています。両市町の合併は自然の流れと考えたいと思います。また、半世紀に及ぶ合併の論議がございます。本市議会においても議論を重ねてきたところでございます。私は合併を考える基本は、一つにはまちの発展と暮らしの向上を目指す視点が必要というふうに思いますし、もう一つは異質なものを融合させて、そして質を高めていくという視点、この2つが必要ではなかろうかと考えています。双方が合併するということになりますれば、行財政基盤が強化されて、より質の高いサービスが提供されることになろうと思います。そういう意味で、メリットはあると考えるわけでございまして、これまでも地域や各種団体等で説明会を開催してきたところでございますが、今後とも双方の住民交流、情報の提供等に積極的に努めてまいりたい、こう思っています。 合併の特例措置が終わると財政状況が悪化するのではなかろうかと、こういうことを見通すべきだという御趣旨であったと思います。合併の特例措置というのは、新しいまちづくりを進める、あるいは住民サービスの格差を是正するということ等、この合併に伴いまして、新たに生ずる財政負担に対して、一定期間講じられる財政上の支援措置でございます。合併には本来、行財政の効率化を図る視点から行われるものでございまして、合併後には当然適正な交付税の算定がなされるというふうに思っております。合併また行政改革等によりまして、行財政基盤の強化を図るということが、分権を進める上につながっていくんだ、こう考えたいと思います。 野々市と金沢の間に公共料金に差があると、これをどうするのかというお尋ねであったと思います。公共料金はそれぞれに高いものもあれば低いものもあります。また、サービスにも制度、仕組み等の違いや内容、水準にも相違があろうかと思っています。しかし、こうしたもののあり方につきましては、双方で実情を踏まえながら、十分協議されていくべきものと思っていまして、私自身この協議を通じて解決できないものではない、そう思いたいと存じます。 地震対策についてお触れでございまして、防災対策の進捗状況、耐震化の進捗状況は所管の部長からお答えをし、市民への啓発をどうするかということでございますが、定期的な市民震災訓練とか、あるいは各自主防災組織の訓練、自主防災組織ボランティアリーダーの研修会、防災講演会の開催、いろんなことをやってまいっています。また、各校下の防災マップをつくったり、家庭、事業所、自主防災組織向けのパンフレットをつくって配布したりしてございまして、いろいろと意識の向上に努めたところでございます。今後もマスコミの協力も得ながら、機会あるごとに防災意識の向上に取り組んでいきたい、このように思っています。 ○議長(川紘一君) 近藤経済部長。   〔経済部長近藤義昭君登壇〕 ◎経済部長(近藤義昭君) 大規模小売店舗の届け出状況についてお尋ねがありました。ことしに入りまして、新設1件、面積変更1件の届け出がありまして、いずれも市の商業環境形成指針の面積基準に適合しておりますが、このうち駅西の家具店に係る変更案件については、さきに市長が答弁されましたとおり、旧大店法の手続経緯からして、今回の大幅増床は再考すべきものである旨、市としての意見を述べたところでございます。 以上です。 ○議長(川紘一君) 石原教育長。   〔教育長石原多賀子君登壇〕 ◎教育長(石原多賀子君) 11番近松議員にお答えいたします。 完全学校週5日制のもと、新学習指導要領が実施されますに当たり、どの子にとっても学んで楽しい学校生活と学力保証をどのようにしていくのかというお尋ねがございました。子供たちが基礎・基本をじっくり学習でき、興味、関心に応じた学習に主体的に取り組むことができるようにする必要があると思っております。新学習指導要領では、このような観点から、各教科の基礎的・基本的な内容を絞り、ゆとりの中で反復学習等を通して、確実な定着を図る。学習内容の習熟の程度に応じた指導方法やチームティーチングの導入などの指導体制を工夫する。各学校が創意工夫を生かして、時間割を編成することができるよう、授業の1単位時間や授業時数の運用の弾力化などの改善を図っております。金沢市教育委員会といたしましても、この新学習指導要領の趣旨を踏まえた実践がなされるよう、各学校に対して指導していくとともに、各学校の意欲ある取り組みを支援していきたいと考えております。また、学力の保証につきましては、新しい学習指導要領に示された、基礎的・基本的な内容の定着やみずから学び、みずから考える力などの生きる力をはぐくむことは極めて大切であると考えております。金沢市教育委員会では、少人数学習やチームティーチングによる学習の導入、小学校における教科担任制の導入、2学期制の導入等により、これまで以上に児童・生徒の学習状況を丁寧に把握し、学習指導の工夫・改善に生かすことで、確かな学力を身につけるよう努めていきたいと思っております。 また、学校図書館に司書教諭を配置したらどうかというお尋ねがございました。専門性のある司書教諭を中心とした、教職員と学校図書ボランティアの方々が連携、協力する中で、魅力ある学校図書館づくりを推進していきたいと考えており、学校図書館司書の配置については、考えておりません。 教員の研修や2学期制、小学校教科担任制等、新しい施策については、教師、保護者と十分論議し、合意のもとに進めるべきではないかとのお尋ねがありました。2学期制や小学校教科担任制の導入につきましては、平成10年度から3年間の十分な議論のもとにまとめられました、金沢市21世紀教育懇話会の提言を受けまして、その具現化を図ったものであり、学校長の平成14年度の経営についての考えや、提案型予算要望書の中にも出てきたものでございます。来年度は2学期制、小学校教科担任制についてのモデル校を数校指定いたしまして、研究を始める予定でございます。保護者や地域の方々にも十分説明し、理解を得て実施に移すことが大切であると考えております。 以上でございます。 ○議長(川紘一君) 畑下市民生活部長。   〔市民生活部長畑下 勲君登壇〕 ◎市民生活部長(畑下勲君) 地震対策について、国の評価を受けての本市の地域防災計画の見直しと、防災対策の進捗状況についてであります。今回の国の評価と本市が実施した震災アセスメント調査とは、ほぼ同様の内容でありまして、見直しについては考えておりません。阪神・淡路大震災の教訓をもとに策定しました地域防災計画に基づく進捗状況は、避難場所については 421カ所、防火水槽については84カ所、防災対策道路については、東山地内を整備しました。今後も引き続き必要な整備を進めてまいりたいと思います。 次に、特定建築物を含めた市全体の公共施設の耐震化の進捗状況についてであります。現在までに121施設の耐震診断を実施しました。そのうち 106施設について補強が必要であります。これまで47施設の補強工事を終えております。今後は、残りの施設の耐震診断を計画的に実施し、耐震補強工事を進めてまいりたいと思います。 以上であります。   〔「議長、11番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川紘一君) 11番近松美喜子君。 ◆11番(近松美喜子君) 水道料金の引き下げを求めました。市長も所信演説で言われているように、市民生活は本当に深刻な状況になっておりまして、私たちのところに寄せられる声も非常に切実です。御商売をされている方は特に水道料金が非常に高いと。毎日の暮らしに欠くことのできない水であるだけに、やはり今日的な状況にこたえて、私は、引き下げが可能であるというふうに考えています。一般財源を思い切って導入する形での引き下げも可能でありますけれども、決算状態で見ても黒字が続いております。このような状況の中で、少しでも市民生活により沿うということで、据え置きにとどまらない対応がされてしかるべきだというふうに思っています。 もう1つは、市町村合併ですが、もう一体化された行政が行われているというふうに言われるのであれば、殊さら合併をする必要は逆にないのであって、私は先般、特別委員会で、野々市との境界、さまざまな状況、県営団地の状況でありますとか、分譲団地、分譲住宅地の状況を見てまいりました。小学校区の異動も考えなくてはいけないというような問題提起で、委員会として見てまいりましたけど、どこへ行っても境界線はあるわけで、この中で近隣の自治体が話し合いをしながら、共同で広域的なことに対応していくということは、合併をしなくても十分可能であると、視察をしてそう思いました。御経塚地区などの小学校を、金沢市に再編させるという案も特別委員会で示されましたが、これではまた新たなマンモス校をつくることにつながりかねない状況で、やはりこういうことも非常に慎重に行わなければいけない、そのような事柄を掲げながら、合併の宣伝をしていくということは、やはり野々市の住民自治を侵かしていくというふうに思うのです。 もう一度、改めてお願いいたします。 ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 本市の水道料金は、全国的に見まして平均の水準にあるというふうに踏まえておりますし、なおかつ投資が多いということもございますし、安定給水を維持していくときには、現行水準を維持することはやむを得ない、そう思っている次第でございます。 広域行政のことにお触れでございまして、広域連携行政が進んだ結果でもあるわけですが、不自由がない。ないから合併は必要ではないという御趣旨でございましたけれども、私は必ずしもそういうことであってはいけない。不自由がないからよりも、むしろより質の高い暮らしを求めていくべきだという考え方に立ちたいと思います。   〔「議長、31番、関連質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川紘一君) 31番森尾嘉昭君。 ◆31番(森尾嘉昭君) 水道料金の問題について、金沢の自己水というものの単価と県水の単価、これは既に本市の自己水の5倍近くという高い県水になっています。この県水との受水契約が非常に膨大で、責任水量--使うが使うまいが7割買わなきゃならんという結果、この金沢の安い水を、約6割川に流している状況にあるわけです。 だから本来、金沢の安い自己水を基本として、水道行政を組み立てるならば、この水道料金は引き下げることは可能なんです。現実的にこういう現状が拡大する一方なんです。この打開策を私は、市長、締め出させなきゃいけない。この現状の打開策を本市としてはどうするのか。これを基本に立てて、水道料金の問題に取り組む必要があると思うのです。私は、市長には責任があると思うのです。この点で市長の答弁を再度求めたいというふうに思います。 それからもう1点、乳幼児の医療助成に対する対応は、際立った対応です。何が際立っているか。この3月議会で、県内の市町村の多くが、この制度を改善しています。小学校入学前までの医療助成に大きく踏み出そうとしています。にもかかわらず、金沢市は県の対応にあわせると、まさに県の顔色を見て市の行政をやろうと。これはとんでもない対応です。既に県がどうであれ、市町村がその市町村の子供たちのためにということで、この制度を充実させて、既に中学校卒業まで拡大しているために、この名称が子供の医療費助成というふうになってきている。この点では、県の顔色を見て対応すると、しかもそれを理由に、この4月からこの制度を改善しないというのは許されない。 答弁を求めたいと思います。 ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 県水受水については、契約に基づきまして、経緯のもとで進められてきておるところでございまして、その中で市として、先方には改善方を申し入れてきておることも御承知いただきたいというふうに思っています。料金収入が低下をしておる。そういう実態からして、そして何よりも安定給水が行われている、この事実を評価していただきたい、こう思います。 乳幼児の件でありますが、きょうまで金沢市としても独自の施策を講じてまいりました。つきまして、県におかれて仕組みを変えたいと、その意思表示をされていますので、この扱いは県下の市町村すべてにかかわる仕組みでもございますので、市といたしますれば、あらかじめ県と相談をしながら、そしてまた、その改正内容を踏まえて、市としての考え方をつくっていくというのも極めて大切なことではなかろうか。極めて普通のことではなかろうかという思いがありまして、県の顔色云々ということとは全く関係がありません。   〔「議長、31番、関連質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川紘一君) 31番森尾嘉昭君。 ◆31番(森尾嘉昭君) この予算概要の中に、乳幼児医療助成について、「制度改正については県の対応にあわせ措置する」と、こう書いてあるんですよ。それは、市長が言っていることとは違うんです。県の対応にあわせるというのがあなたの姿勢なんですよ。 しかし、この制度そのものは、県内の他の市町村と同様に、独自にそれぞれ改善を進めてきたんですよ。そういう中で、今回の3月議会で他の市町村も、小学校入学前まで、大方改善しようじゃないかという動きをどんどん実施しているんです。金沢市が県の対応にあわせるなんていうのは、こんなのは、際立った対応なんです。 だから、事実上4月からの実施改善を見送るということなんですよ、あなたの表明は。これはね、やはり際立った本市の対応ぶりですよ。金沢の少子化にとって、あなたは重要な施策だと、あなたはさっき答弁したんです。であるならば、この問題は、改善を独自に、市として考えを打ち出して、4月から実施をするというのが普通の考えじゃないですか。どうですか。 ○議長(川紘一君) 山出市長。   〔市長山出 保君登壇〕 ◎市長(山出保君) 事柄を実施するに際しまして、4月1日を期さなければならないと、そういう決まりはどこにもござません。 私は、「あわせる」というのは、県の改定の時期を見る、そしてそれを見て、市として善処するということでございまして、言われる筋合いのことはありません。  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △散会 ○議長(川紘一君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。 よって、本日はこれにて散会し、次の本会議は明12日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。              午後4時37分 散会---------------------------------------      〔参考〕--------------------------------------- 平成14年定例第1回金沢市議会                発言者順序表          ------------------発言予定日発言順序議席番号議員名会派名3月11日(月)  1  22安達 前新生ひびき  2  34木下和吉自由民主党金沢・市民会議  3  37松本捷男自民フォーラム  4  33南部康昭公明党  5  11近松美喜子共産党3月12日(火)  6  3森 雪枝民主  7  27出石輝夫社民党  8  1松村理治新生ひびき  9  14玉野 道自由民主党金沢・市民会議  10  31森尾嘉昭共産党3月13日(水)  11  12浅田美和子公明党  12  18田中 仁民主  13  8山野之義自由民主党金沢・市民会議  14  32升 きよみ共産党  15  19苗代明彦新生ひびき...